マスターカードのインターナショナル部門のジルベルト・カルダート社長は、「今後様々なデジタル通貨やキャッシュレス決済がさらに普及するだろう」と語った。29日に東京で開かれた「世界経営者会議」での発言を日経が報じた。
マスターカードはVISAやストライプとともに、リブラ参加を見送っているが、デジタル通貨やブロックチェーン、そして銀行口座を持たないアンバンク層の重要性は認識しているようだ。
カルダート氏は、講演の中で次のように発言した。
「スマートフォンやフィンテックが普及した今でも、世界人口の約7割は銀行とつながっていない。…フィンテック企業や銀行と消費者をつなぎ、金融包摂が必要になっている。我々はこの社会的な課題を解決する役割を担うことができる」
こういったことを実現する上に置いて、重要となるのがデジタル通貨とブロックチェーンだと指摘。カルダート氏は「ブロックチェーンは可能性があり、我々はこの分野でも多くの特許を持っている」と強調した。
リブラ参加を見送った決済企業でもデジタル通貨領域への関心は依然として高い。
VISAのアルフレッド・ケリーCEOは10月24日、米経済メディアとのインタビューの中で「銀行口座を持たない人々に金融システムを供与するシステムを作るためにフェイスブックと議論をしている」ことを明らかにした。
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