マーシャル諸島共和国が独自の仮想通貨ソブリン(SOV)を発行することが分かった。ブルームバーグが複数の同国関係者の話として伝えた。
ケネス・ケディ国会議長によると、同国国会が今週、ソブリンの発行法案を可決したという。
マーシャル諸島は現在、自国通貨として米ドルを使用しており、ソブリンが発行されればドルと共に流通することになる。ソブリンはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を通じて配布される予定。議会による最終認可が必要だが、否決は「まず無い」とケディ氏はブルームバーグに語っている。
デビッド・ポール大統領補佐大臣はブルームバーグに対し、この新たな国家発行コインは18年末までには発行されるはずだと語り「具体的には我が国の長期的なニーズを狙っている」と加えた。
これに先立って、ベネズエラが石油に裏付けられた仮想通貨ペトロを発行している。さらにイランとトルコの議員も官製仮想通貨の発行を検討していると発表している。
一方、ソブリンは同諸島の53000人の国民という比較的小規模なニーズに対応する。報道によると、ICOで調達された資金の一部は米国による過去の核実験の犠牲となった国民のための医療に使われる予定だ。
ヒルダ・ハイネ大統領はさらにこの計画に対し「国民にとって歴史的な瞬間だ。ついに米ドルと共に我が国独自の通貨を発行し使用することになる。これは我が国の国家的な自由を明確にするためのさらなる一歩となる」と述べた。