10日の仮想通貨相場は、前日に続いた上昇とはならず、時価総額で上位20位のコインほぼ全てがマイナスだった。11月中旬から続く仮想通貨相場の下落だが、下落要因はファンダメンタルズではないという見方が相次いでいる。
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ビットコインは4.59%下落し、執筆時点で3474ドル付近で推移している。ビットコインのボラティリティ・インデックスは、過去1ヵ月で3倍に上昇。10月頃の静かな相場とは大きく様変わりした。
ちょうど1年前の2017年12月10日、ビットコインは1万7102ドルだった。本日の価格からはほぼ8割高いことになる。
Bitcoin all-time price chart. Source: CoinMarketCap
時価総額第2位にリップル(XRP)は、過去24時間でほぼ5%の下落。現在0.301ドル付近で取引している。
XRP 7-day price chart. Source: CoinMarketCap
6日に100ドルを下回ったのち、イーサリアム(ETH)は11日、90ドルまで下げた。現在90.99ドルで付近で推移している。過去24時間でほぼ6%のマイナスだった。
主要仮想通貨の中で下げ幅が大きかったのはダッシュ。9%以上下落し、現在は68.14ドル付近で推移している。
仮想通貨市場の時価総額全体は、1100億ドル。24時間前と比べて、50億ドル減少した。
Total market capitalization 7-day chart. Source: CoinMarketCap
ファンダメンタルズとの乖離?
最近の仮想通貨相場の下落は、ファンダメンタルズから乖離しているという見方が出ている。
ベンチャー・キャピタリストのクリス・バーニスク氏は10日、ビットコインとイーサリアムの価格がファンダメンタルズより下がっているというブログをMediumに投稿。供給サイドのデータとしてコインを採掘するための計算力の総量「ハッシュレート」を使う一方、需要サイドには取引高やウォレット数、イーサリアムの場合は取引を実行するための手数料であるガス代が考慮されている。
バーニスク氏によると、ビットコインとイーサリアムのネットワーク価値がピークからそれぞれ81%、93%下落する一方、1日の取引高はそれぞれ41%と52%しかマイナスになっていない。「ネットワーク価値」は、市場がコインを評価する上で価格より正確な数値として同氏が採用している。
また、イーサリアムの一日のガス代とネットワーク価値の間にも、大きな乖離がみられている。
一方、仮想通貨取引所ビットメックスが、仮想通貨相場急落によってマイニング業界が苦戦していることを示すデータを公表。11月の初めの頃と比べてビットコインは約45%下落したが、同時期にビットコインのハッシュパワーは、マイニング機器ビットメインS9の130万台分に相当する31%近くも減少したというレポートを出した。
個人投資家と機関投資家の入れ替わり 着実に進む
仮想通貨相場が急落する中、個人投資家と機関投資家の入れ替わりは着実に進んでいるようだ。
10日のロイター通信によると、11月は個人投資家寄りの取引所と機関投資家寄りの取引所で明暗が分かれた。9月から11月の間、個人投資家に好まれる米国のコインベースやポロニエックスは、それぞれ22%、74%も減少。日本のビットフライヤーの取引高も11月に47%減ったと指摘した。
一方、ビットフィネックスなどのように大口の投資家が好む取引所の取引高は11月に38%も増加したという。
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