フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、仮想通貨リブラについて「多くの人が疑問や懸念を抱いている」ことを認め、発行するまでにすべての懸念に対応していく考えを示した。日本経済新聞と英語版のNikkei Asian Reviewが25日にインタビューを掲載した。

インタビューの中で、ザッカーバーグCEOは、独自仮想通貨リブラに対する規制当局などの懸念をすべて解消していく考えを示した。

「多くの人々が疑問や懸念を抱いており、私たちは前進する前にそれらすべてを確実に処理していく」

リブラが多くの問題や懸念を生むことは、ザッカーバーグ氏は「わかっていた」と話す。規制の厳しい決済・金融分野は、「インターネットサービスとは違う」と述べる。だからこそ、議論を始めるために、早い段階でホワイトペーパーを公表したという。

2020年の発行予定については、ザッカーバーグ氏は直接質問には答えず、「これ(リブラ)を展開するのに何年もかかるとは思わない」と述べるにとどまった。

「明らかに、私たちはすぐに前進することを望んでいる。そして、これ(リブラ)を展開するのに何年もかかるとは思わない。〔中略〕いま現在、私たちはこれがうまくいくようにするために注力している」

「助けになる人は大勢いる」

またインタビューの中で、ザッカーバーグ氏は改めて、リブラの意義についても触れている。

「(通貨が弱い国では)通貨や法制度が安定せず、インフレで価値が下がったり、政府に取り上げられたりする。リブラが助けになる人が大勢いると思う」

1週間前にはトランプ大統領と会談

ちょうど1週間前、ザッカーバーグCEOはワシントンDCを訪問。トランプ大統領や米議会の議員らと会談を行った

トランプ大統領との会談内容については明らかになっていないが、ザッカーバーグ氏は米上院議員と会談した際に「規制当局の賛同なしにリブラを発行することはない」と、規制当局と協調していく姿勢を示した。

【関連記事:フェイスブックのザッカーバーグCEO、トランプ大統領や議員らにリブラを直談判か