イギリスの大手鉄道企業、ゴーアヘッドグループ(Go-Ahead Gropu)は、ブロックチェーンスタートアップのDOVUと提携し、鉄道の顧客向けにトークンを使った報酬システムを導入するテッククランチが2月1日にリポートした。

ゴーアヘッドはロンドン証券取引所に上場し、FTSE250インデックスの構成銘柄にもなっている企業だ。イギリス内で鉄道やバスおサービスを手掛け、年間の利用者数は10億人にも及ぶという。ロンドン最大のバス事業者でもあり、イギリスの鉄道旅客の約30%を占めているという。

DOVUは、ERC-20トークンであるDOVを使った、ブロックチェーン基盤の報酬プラットフォームを展開する準備を整えている。このプラットフォームは、ゴーアヘッドが運営する鉄道サービス、テムズリンクとサザンで利用されるという。トークンによるインセンティブスキームは、顧客の鉄道利用データを提供する見返りとして、報酬を与える仕組みだ。

DOVUの共同創業者兼COOのクラジナ・ミネバ氏は、トークン化されたシステムがゴーアヘッドに「効率を高め、サービスを向上させることができる実用的データ」を提供することになると語る。

データ共有のインセンティブを与えるほか、鉄道利用者の行動変化にもトークンによる報酬が使われる予定だという。

ゴーアヘッドは、公共交通に新しい技術を導入するためのアクセラレータ・プラグラム「ビリオン・ジャーニー・プロジェクト」を展開。これはイノベーションをもたらす技術と提携し、実証実験を行っていくというものだ。DOVUはこのプログラムの最終候補に選ばれていたという。

DOVUは昨年5月、自動車大手のBMWとも共同で実証事業を行っている。これもDOVトークンを使った報酬システムで、ドライバーがリース車両の走行データを提供する見返りに、トークンを与える取り組みだ。