韓国カカオの仮想通貨(暗号資産)ウォレットKlipと、非上場株式の取引プラットフォーム「エンジェル・リーグ」と提携した。韓国経済新聞によると、カカオのブロックチェーンでNFTを発行し、Klip内でエンジェルリーグのデジタル会員証発行が可能になるという。

エンジェルリーグでは投資家が「IPO前」の段階にある有望スタートアップの株式を共同購入することができる。プラットフォームでは「リードエンジェル」と呼ばれるメンバーがプラットフォーム上で株式の売買契約を結ぼうとしている人の中から選出されるほか、メンバーの募集や株式の売買契約に至る全過程が行われる。

今回の提携によって、カカオの仮想通貨ウォレットであるKlipを通じて、NFTベースのデジタルカードにエンジェルリーグの会員確認証を発行する。このデジタル会員証はカカオのパブリックブロックチェーンである「クレイトン(Klaytn)」で、偽造や改変されることなく保存される。

NFTベースのデジタルカードが発行されるとメンバーはプラットフォーム上で取引できるようになる。

クレイトンを手がけるグラウンドX社のハン・ジェスンCEOは、今回のNFTでの取り組みについて、以下のように話した。

「KlipのNFTデジタルカードを通じて、エンジェルリーグの会員資格を確認できるようにすることで、運用上の煩わしさを軽減し、会員の利便性を強化した。また、クレイトンを通じた所有権移転の方法も拡大できる。グラウンドXとともに、金融イノベーションを推進できるNFTの事例を発掘していく。」

カカオは6月に独自仮想通貨KLAYを、韓国の大手取引所「コインワン」に初めて上場させたと報道された

しかし、その後、クレイトンは公式ホームページ上で、コインワンによるKLAY上場について、「コインワンの一方的な決定であり、クレイトンと調整したものではない」と発表した。

「コインワンはKLAYをKRW市場に上場する意向を通知し、クレイトンはコインワンに計画の撤回を要請した。しかし、コインワンはKLAYの上場を推し進めた。我々はコインワンとビジネス上の関係をすべて終了し、提携を解消する」

クレイトンは2019年6月にメインネットを立ち上げたカカオの独自ブロックチェーン。クレイトン上で様々な分散型アプリ(DApp、クレイトンではBAppと呼んでいる)やソリューションを提供することを目指している。ブロックチェーン上のネイティブトークンとして、独自仮想通貨「クレイ」も発行している。

クレイトンの運営は、クレイトンのブロックチェーンを活用する企業が参加するコンソーシアム「ガバナンス協議会」が推進する仕組みとなっている。日本からモバイルゲーム開発企業のgumiやココネが参加。ほかにはLGエレクトロニクスや人気ゲームPUBGといった韓国企業が参画している。ハッシュキーといった中国企業、またフィリピンのユニオンバンク、タイのFSNといった東南アジア企業も並ぶ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン