5月31日、サンフランシスコを拠点とするウォレット・アズ・ア・サービス(WaaS)プロバイダーのマジック(Magic)は、ペイパル・ベンチャーズが主導する戦略的資金調達ラウンドで5200万ドル(約72億円)を調達したと発表した。この資金調達ラウンドには、チェルビック、シンクロニー、KX、ノースゾーン、ボルト・キャピタルなどの企業も参加し、マジックがこれまでに調達した資金総額は8000万ドル(約111億円)を超える。
マジックのソフトウェアは現在、マテル、メイシーズ、Xsolla、イミュータブルなどの小売、音楽、ファッション、ゲーム業界のブランドで利用されている。資金調達を通じて、マジックはデジタル所有権の機会を提供し、機能の拡張、ユースケースの強化、欧州連合(EU)およびアジア太平洋地域での統合の深化を図る予定だ。
マジックのソフトウェア開発キット(SDK)を実装することで、ベンダーは既存のメール、ソーシャル、SMS、連携ログインを使用してウォレットを作成できる。このソフトウェアは、認証、法定通貨のオンランプ、非代替性トークン(NFT)のミント、NFTのチェックアウトを含むユーザーのオンボーディングのためのオールインワンのパッケージを提供する。
また同プラットフォームは、SOC2タイプ2、CCPA、GDPR、HIPAA、ISOなどのさまざまな規制に準拠していると述べている。2020年に設立されたマジックは、これまでに2000万以上のユニークなウォレットを生成し、13万人以上の開発者が同社のSDKを利用している。同社は、独自の技術で1秒あたり2000以上のウォレットを生成できると主張している。
仮想通貨およびWeb3ウォレットプロバイダーは近年、大規模な資金調達ラウンドを行っている。2021年11月、自己管理型ウォレットのメタマスクを開発したWeb3ソフトウェア開発企業コンセンシスが、32億ドルの評価額で2億ドルを調達した。同様に、2023年3月30日、仮想通貨ウォレットプロバイダーのレジャーは、自己管理型ウォレットへの需要の急増を受けて、14億ドルの評価額で1億900万ドルを調達した。同月、マルチチェーンウォレットのBitKeepは、3億ドルの評価額で3000万ドルを調達したと発表した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン