メーカーダオ(MakerDAO)が実施した、ステーブルコイン「Dai(DAI)」の価格安定化手数料(Stability fee)引き下げに同意を求めるユーザー投票が失敗に終わった(否決された状態)。有権者が、投票に必要な手数料を賭けなかったため、今回の値上げ提案は記事掲載時点では同意を得られていない。メーカーダオが5月20日に公表した投票結果で明らかになった。
メーカーダオは5月19日、安定化手数料を2%引き下げ、年間で17.5%にすることにユーザーに同意を求める投票を開始した。今回の手数料引き下げはDAIの取引価格が仮想通貨取引所で1ドルを上回り、DAIと米ドルとで価格が乖離していたことが背景にある。
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DAIは仮想通貨の1種で、1米ドル:1DAIで交換できるよう設計された、仮想通貨イーサリアム(ETH)のERC-20規格を基にしたステーブルコイン(ドルペッグ通貨)。ユーザーは、メーカーDAOの独自スマートコントラクト「CDP(Collateralized Debt Positions、担保付債務ポジション)」でDAIを生成する形態を採用しており、その手数料としてMKR(ユーティリティトークン)が必要になる。
今回の投票では、投票権を有する者が投票に最低限必要な117631.90MRKを賭けなかったため、記事掲載時点では値上げ提案は同意を得られていない状態となっている。
投票結果によると、投票のしきい値の半分以上にあたる5万4000MKRを投じたのは、計2人のトークン所有者という。今回の投票では、手数料2%引き下げ以外も選択肢が示されており、より多くの個人が投票したが、全体的なMKRトークン量は少ない状態となった。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版