メーカーDAO(MakerDAO)が、ステーブルコイン「Dai(DAI)」の価格安定化手数料(Stability Fee)を3.5%に値上げすることが明らかになった。3月4日にこの問題によるユーザー投票を開始し、3月7日に投票結果が公開された。

この結果に従い、メーカーDAOは、(DAIと米ドルの価格乖離が修正されるまで、)価格安定化にかかる手数料を1.5%から3.5%に2%引き上げる提案にユーザーが同意したと3月7日に発表した。今回の値上げ提案の背景の1つには、DAIの取引価格が仮想通貨取引所において1ドルを下回り、DAIと米ドル間で価格乖離が生じていた点がある。

メーカーDAOは、仮想通貨イーサリアム(ETH)のブロックチェーン技術を応用した組織。「DAO」は、分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization)を意味する略称となっている。インターネット・ブロックチェーン技術・スマートコントラクトを組み合わせて、中央集権的な階層管理を行わず、フラットな関係の個人による集団で意思決定を行うという存在だ。

DAIは仮想通貨の1種で、1米ドル:1DAIで交換できるよう設計されたERC-20規格ベースのステーブルコイン(ドルペッグ通貨)。ユーザーは、メーカーDAOの独自スマートコントラクト「CDP(Collat​​eralized Debt Positions、担保付債務ポジション)」でDAIを生成する形態を採用しており、その手数料としてMKR(ユーティリティトークン)が必要になる。

今回の手数料値上げ提案において、メーカーDAOは、「価格安定化手数料の増加によるCDP閉鎖(未処理のDAIの削減)は、適切な行動とみなせる」と述べた。

また提案の中で、価格安定化手数料を2月に2回、それぞれ0.5%値上げした点にも触れている。ただしその影響は、無視できるほどわずかだったようだ。

現在MKRは、時価総額16位(コインマーケットキャップ)の仮想通貨となっている。MKRは1日で約1%下落し、記事掲載時点では約675ドルで取引されている。

またDAIは、記事執筆時点で0.991ドルで取引されており、過去24時間の間に数%の割合で下落している。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 MakerDao Users Vote to Raise Stablecoin DAI’s ‘Stability Fee’ by 2%