ハードウェアウォレットプロバイダーのレッジャーのCEO兼会長であるパスカル・ゴーティエ氏によれば、大手銀行の破綻は、ビットコイン(BTC)とセルフカストディの必要性を強調するものになっている。

パリ・ブロックチェーン・ウィークでのコインテレグラフとのインタビューで、ゴーティエ氏は最近の出来事が、BTCが中央集権的な権威の脅威に対する安全な避難所になりうることを示すものであると語った。

「ビットコインは、2008年のリーマン・ブラザーズの危機への反動として設計されたものだ。中央集権的な権威を信頼できないからこそ設計された。中央集権的な権威が破綻することが明らかであるからこそ、設計された。それは、『もし』という問題ではない。むしろ『いつ』という問題なのだ」

ゴーティエ氏によると、セルシウスやFTX、銀行破綻のような事件が起こるたびに、人々はセルフカストディや仮想通貨に殺到する。「市場がストレスを感じ、人々が貯蓄の心配をするたびに、彼らは仮想通貨とレッジャーに殺到するのだ」と彼は言う。

またゴーティエ氏は、現在の状況から、人々が銀行の実態に気付き始めていると考えている。多くの人が、銀行の目的は人々の資金を保護することだ、もしくは銀行が破綻してもその預金は弁済されるというアイデアが実は違うのではないかと気づき始めていると、ゴーティエ氏は説明する。

「実は、必ずしもそうではないということが分かってきたのだ。それは面倒な事だろう。でも、ビットコインとその存在理由、そして未来に必要な理由を学ぶことができる」と言う。

Web3に参入する伝統的なブランドが、仮想通貨の分散化に対する脅威となる可能性があるかという質問に対して、ゴーティエ氏は、そのようなことは起こらないだろうとも話す。

「もしそうなったら、仮想通貨は死んで、次のことに移る。つまり、仮想通貨が分散化されるか、されないかのどちらかだ。そして、これらのブランドはすべて、実はこのことを理解しているのだ」

レッジャーのCEOによると、仮想通貨の理念である分散化を尊重しなかったフェイスブックの失敗から、ブランドは教訓を学ぶことができたという。「仮想通貨とは何かという基本的な原則を尊重しなかったために、彼ら(フェイスブック)は失敗したのだ。仮想通貨を中央集権化しようとする者は、必ず失敗する運命にある」とも述べた。ゴーティエによれば、これを「2つの磁石がくっつくことはない」ことに喩えている。