英国の港湾運営大手、アソシエイテッド・ブリティッシュ・ポート(ABP)は、港湾のロジスティクス業務にブロックチェーン技術を活用するため、ロジスティクス業務のデジタル化を手掛けるマリン・トランスポート・インターナショナルと提携した。Dry Bulk Magazineが19日に報じた。

ABPは英国で21ヵ所の港湾を管理し、英国の貨物輸送の25%を担っている。ABPはまず試験的に港湾の業務にブロックチェーンを導入する考え。

Dry Bulkによると、ABPのサプライチェーンに関係する港湾運営会社や輸送業者、荷主などは、それぞれお異なるシステムを使用しており、手続きが煩雑化していたという。港湾のロジスティックにブロックチェーンを導入することで、バラバラだったデータのレビューに要する時間を短縮できると期待している。

今回ABPと提携した、マリン・トランスポートのクレウォースCEOは「ブロックチェーンを使用し、データを正確かつ迅速に共有できるようになり、出荷業務のスピードアップとシンプル化につながる」と語る。

海運分野でのブロックチェーン導入は世界的に進んでいる。デンマークでは今年6月、船舶登録の分野でブロックチェーン技術を導入する計画を表明。アブダビの港湾公社でも、ロジスティック分野でブロックチェーンを導入した。

日本でも輸出入手続きにブロックチェーン技術を活用する取り組みがスタートしている。新エネルギー・産業技術総合開発機構とNTTデータが手掛け、来年はじめに実証実験を行う予定だ。