アブダビ港湾公社の子会社であるマクタ・ゲートウェイ社(Maqta Gateway LLC)が、アブダビ史上初めて独自のブロックチェーン技術を導入した。コンストラクション・ビジネス・ニュースが2日付で報じた。

 マクタ・ゲートウェイのブロックチェーン技術はシルサル(Silsal)と呼ばれ、貿易と流通業の効率化を目指して開発された。最初は運送業者とその顧客が利用可能になり、その後、「既存の貿易システムを補完するツールとして他の貿易関係者も使えるようになる」という。

 アブダビ港湾公社は、書類の削減、リアルタイムでのステータス確認や情報交換の加速化を期待している。シルサルは、マクタ・ゲートウェイのデジタルラボで開発され、アブダビ港湾公社の戦略的な顧客との間で試験的に導入されていた。 マクタ・ゲートウェイのCEOであるノウラ・アル・ダヘリ博士は次のように述べた。

「ブロックチェーンは貿易デジタル化のカギになる」

 またマクタ・ゲートウェイは、シルサルに加えて、貿易に関する全ての書類を暗号化して管理できるデジタル技術も開発した。アル・ダヘリCEOは、「リスクの高いパスワードを使ったアクセス方法をなくすつもりだ」と発言している。

 貿易と流通業界はブロックチェーン技術の発展に注目していて、世界経済フォーラムの試算によるとブロックチェーンの導入によって世界の物流コストの20%が削減される可能性がある。また米宅配大手フェデックスのCEOはブロックチェーンを世界のサプライチェーンにおける「次のフロンティア」と呼んでいる。