コダック社が手がけるブロックチェーン基盤の画像著作権プラットフォームKodakOne(コダックワン)が100万ドル(約1億800万円)のライセンス収入を得たとBreakerMagが8日に報じた。1年前は成功しないだろうと言われていたプロジェクトであるだけに、業界関係者にとってサプライズとなっている。

コダックワンは、ブロックチェーン基盤の画像著作権プラットフォームで、独自仮想通貨のKODAKCoin(コダックコイン)と連動。写真家はコダックワンを使うことで自分が撮影した写真を安全に保管し、著作権を追跡できる。どこで写真が使われてもトラックワンは著作権の追跡をしっかり確認できるわけだ。コダックは昨年5月、独自トークン「コダックコイン」で最大5000万ドル(約54億円)を調達する計画を明かしていた

コダックワンの創業者キャム・チェル氏は、Breaker Magに対して、プロのカメラマンですら市場の2割程度しかライセンス手数料を得られていないと指摘。「人間が介入する際にかかるコスト」が要因だと分析した。同氏は、スマートコントラクトとブロックチェーンを使って、コダックワンは残りの8割のマネタイズをすると話した。

 

未開拓の著作権ビジネス

著作権協会国際連合(CISAC)によると、世界で著作権料が徴収される市場は2007年~2015年の間に3割ほど成長しているものの、コンテンツ別でみた場合、音楽に比べて「映画、彫刻、写真」の分野は格段に規模が小さい(引用:JNEWS.com) 。写真家が著作権の挑戦に苦戦をしているのは明白な状況だ。


(引用元:JNEWS.com

今回のコダックワンの成功は、こうした現状を変える一つの手段としてブロックチェーンが有用であることを示した例といえるかもしれない。

ちなみに最新のデータでは、2017年の国別でみた著作権の徴収料は、米国やフランス、ドイツ、英国は前年比で増加しているものの、日本は6.8%のマイナス。市場シェアも8.4%に留まっている。

(引用元:CISAC

コダックワンの不透明性も

一方、今回のコダックワンの「100万ドルライセンス収入」に懐疑的な声も出ている。仮想通貨メディアThe Blockのエイミー・カスター氏は、どうやって「100万ドルライセンス収入」を我々は確認できるのか?どういう意味があるのか?とツイートした。

 

ニーズのある市場だけに、今後、ライセンス料の確認方法も含め、どの国からの著作権料が多いのかなど、情報開示をして透明性を高めることがコダックワンに求められそうだ。