仮想通貨トロンの創業者ジャスティン・サン氏は、先週末にCNBCの仮想通貨番組「クリプトレーダー」に出演し、弱気相場が続く中、トロンは年初来で約30%も上昇するなど好調である要因について話した。

(引用元:CoinMarketCap「トロンの価格推移(年初来)」)

イーサリアムと同じようにプラットフォーム型のブロックチェーンであるトロン。トロン氏は、「iosやアンドロイドのようにブロックチェーンのオペレーションシステムとして機能する」と解説した。仮想通貨EOSと同じようにdPosと呼ばれる、仮想通貨の保有量(ステーク)によって重みづけられた投票によって選ばれたノードがブロック承認を行うアルゴリズムを採用している。この結果、イーサリアムの200倍に当たる一秒間に2000回の取引が可能毎日、300万回の取引があるという。

とりわけ、トロン史上最大のdAppとして注目されているのが、ファイル共有サービスのビットトレントとの融合だ。ビットトレントは、トロンのプロトコルを基盤にすることで、トークン、ビットトレント(BTT)を発行。ビットトレント(BTT)は、ユーザー間で送金可能で、ネットワークスピードの最適化やダウンロードスピードの向上に用いられるという。2月11日にはトロンの所有者に対してBTTの一部がエアドロップさせる予定だ。仮想通貨取引所バイナンスは先週、このエアドロップをサポートすると発表しており、着々とトロン版ビットトレント立ち上げに向けて準備を整えている。

サン氏は、CNBCとのインタビューの中で、「第1四半期にはビットトレントのテスト版を開発し、第2四半期には立ち上げる予定だ」と言及。その上で、「第3四半期には大半のビットトレント利用者がビットトレントのBTTのエアドロップを受けられるようになる」と述べた。

世界に1億人以上のユーザーを抱えているというビットトレント。サン氏の計画通りにいけば、トロンのユーザーは、今年中に突然、無料で仮想通貨を手に入れることになる。サン氏は「仮想通貨を普及させて、仮想通貨業界に取引高を大量に流入させる一つの方法だ」と述べた。

トロン(Tron)とは、仮想通貨の一種。北京とサンフランシスコにトロン開発チームの拠点を置いている。現在インターネットの普及を背景に、個人が制作・プロデュースするデジタルコンテンツの市場が拡大している一方、制作者は中間搾取などにより効率的な収益化を実現できていない。これに対し、トロンは効率的なデジタルコンテンツの売買や取引を行えるプラットフォームを提供、さらにブロックチェーン技術による著作権保護を確実にすることでデジタルコンテンツ業界の健全な発展を目指している。時価総額では常に上位に組み込むトロンであるが、仮想通貨業界ではトロンの実態について賛否両論があり、様々な議論が展開されている。

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