米国司法省が、ダークネット上の闇サイト「シルクロード」関連のビットコイン(BTC)没収を目指して動いている。関連ビットコインなど仮想通貨の総額は10億ドル(約1030億円)に上り、規制当局によるビットコインの押収額としては過去最大になるという。

11月5日に発表された文書によると、司法省はすでに該当するアドレスから6万9370.22491543BTCを差し押さえている(ハードフォークに伴いほぼ同額のビットコインキャッシュ、ビットコインゴールド、ビットコインSVも同アドレスに入っている)。

2012年から2013年頃に「Individual X(個人X)」がシルクロードをハッキングして不法に入手したものとみられる。

該当するアドレスは、1HQ3Go3ggs8pFnXuHVHRytPCq5fGG8Hbh。保有者の名前は明らかにされていない。今回の司法省の調査に協力したのは、ブロックチェーン上の不正取引追跡を手掛けるチェイナリシスだ。

司法省によると、「シルクロード」運営者で終身刑で服役中のロス・ウルブリヒト氏が、個人Xに対して、ハッキングして入手したビットコインを返すように脅したものの、個人Xは返却に応じず、使用せずに保有し続けたという。

司法省Xは、個人Xの身元を知っており、個人Xは11月3日時点でビットコイン没収に同意した。

シルクロードは、違法薬物などを販売するオンライン闇市場として知られており、ユーザー間の取引にビットコインを使用していた。米連邦捜査局(FBI)は創設者のウルブリヒト氏を逮捕し、当時出回っていた全ビットコインの約1.5%を占める17万BTC以上を押収した。同サイトは13年10月に閉鎖された。

ウブリヒト氏に対しては寛大な処置を求めてトランプ大統領宛に35万7000人の署名が集まっている

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン