米国連邦地方裁判所は7日、証券取引委員会(SEC)がブロックチェーンベースのファイル共有・決済ネットワークLBRYに対して起こした訴訟で、SECに有利な判決を下した。同裁判所は、5月5日に提出したSECの略式判決請求を認めた

SECは2021年3月、開発元のLBRY社を同社のLBRYクレジットトークン(LBC)が証券法に基づいて有価証券として販売されたと主張して提訴した。

SECによると、LBRYは2016年から2021年の間に「一般公開するために必要な情報」を含む登録届出書を提出せずに、投資家から米ドル、ビットコイン、サービスなどから1100万ドル以上をサービスを調達した。LBRYはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を行っていないため、SECはこの件に関して詐欺とは主張しなかった。

LBRYは、分散型動画共有プラットフォーム「Odysee」を運営しており、視聴者が動画を視聴することで仮想通貨を得る機会を提供する一方、クリエイターは作品に応じてLBCを獲得する。LBRYは、LBCが証券であることを否定し、SECが同社との和解の努力を怠ったと主張。LBRYを擁護するSEC宛ての請願書のウェブサイトには次のように記載されている。

"LBRYクレジット(中略)は、個人がIDを作成し、クリエイターをチップし、分散化された方法でコンテンツを公開、購入、ブーストできる。何百万人もの人々がこの方法で利用しており、私たちが誰かにトークンを販売するずっと前から多くの人々が利用していた。(中略)私たちは極めて誠実に行動し、すべての規則に従おうとし、あらゆる場面でSECを遵守してきた。"

しかし、ニューハンプシャー州のポール・バーバドーロ判事は、こう判断した。

「LBRYがLBCを有価証券として提供したというSECの主張を合理的な事実審理者が否定することはできず、LBRYには公正な通知を欠いたという裁判上の抗弁はない 」

同社は「この訴訟の結果、LBRY IncがSECによって閉鎖されたとしても、LBRYネットワークは、分散したLBRYコミュニティの努力によって機能し続け、成長し続けるだろう」と述べている。