JPモルガンが手掛けるブロックチェーン決済プラットフォームは、75以上の金融機関が参加するまで拡大している。英フィナンシャル・タイムズがJPモルガンの動きを伝えている。

JPモルガンの「クオラム(Quorum)」ブロックチェーンを使った「銀行間情報ネットワーク(IIN)」は昨年10月から開発が進められている。FTによれば、INNのプラットフォームは既にいくつかの進展を見せているという。

ソシエテジェネラルやサンタンデールといった大手金融機関が、決済情報を共有し、取引をスピードアップするため、このプラットフォームを採用しようとしている。

銀行以外のプレイヤーがクロスボーダーの決済処理で新たな競争相手として台頭している。銀行サイドは、信頼できる情報の透明性を通じて問題解決をはかり、新興勢力と競争する考えだ。

JPモルガンで銀行アナリストを務める、ジェイソン・ゴールドバーグ氏は「決済は、銀行以外の企業との競争において、銀行が最も懸念している分野の1つだ」と指摘する。

「ブロックチェーンは、それ(決済ビジネス)を銀行の中に維持するための手段だ」

JPモルガンは、仮想通貨については慎重な姿勢を維持したままだ。その一方でブロックチェーン技術においては、イノベーション推進の中核となろうとしている。今年8月、JPモルガンで最高情報責任者(CIO)を務めるローリ・ベア氏は、ブロックチェーンが数年以内に既存の技術と置き換わるだろうと予測している

JPモルガンは今年4月、ゴールドマン・サックスやファイザー、カナダ・ナショナル銀行とともに、INNプラットフォームのテストを開始している