仮想通貨取引所JPEXを巡る事件は、台湾の検察当局が新たな容疑者を召喚しているとの報道で進展を見せている。

地元テレビ局TVBSニュースの報道によれば、台北地方検察署(TDPO)は、JPEX台湾オフィスのチームパートナーであるチャン・トンイン氏を詐欺の疑いで拘束するよう求めた。

台北の検察当局は、JPEX調査に関連する9か所を捜索し、チャン氏と他の3人の容疑者を召喚したと報じられている。当局は、チャン氏とJPEXの関係者だったシー・ユーション氏(別名シー・ユー氏)を、銀行法とマネーロンダリング防止法違反の容疑者としている。

ほかには、JPEXの従業員だったリュウ・チェンフ氏とニウ・ケンション氏は釈放された。報道によると、リュウ氏は5万台湾ドル(23万円)の保釈金で釈放され、JPEX台湾の登録責任者であるニウ氏は尋問後に釈放された。

また、台湾の有名人であり歌手で、かつてJPEXのブランドアンバサダーを務めたナイン・チェン氏も検察に召喚されている。検察当局は、当初は証人として召喚していたが、ナイン・チェン氏を容疑者として扱っているという。

JPEXブランドアンバサダーだったナイン・チェン氏. Source: JPEX

かつては成功した仮想通貨取引所であったJPEXは、2023年9月中旬に突如一部のサービスを停止した。これは香港の複数の金融機関からの「不公平な扱い」により流動性危機が引き起こされたという理由からだ。突然の業務停止は、JPEXが仮想通貨取引ライセンスの申請したなどと主張して、投資家を誤解させていたという疑惑を引き起こした。

JPEXは香港での仮想通貨スキャンダルの中心となった。香港当局は、JPEXユーザーからの2000件以上の苦情を受けて調査を開始した。JPEXの問題は、香港だけでなく、台湾などの金融規制当局にも波及し、多くの当局が同様の事態による投資家の損失から保護するための新たな措置を導入している。

9月25日にはJPEX事件に関連する容疑者11人が香港で逮捕されている一方で、主犯格とされる人物は未だに逃亡中だ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン