【動画あり】仮想通貨業界の自主規制始動:ルール順守のため検査や罰金も可能に 奥山会長「業界の健全な発展目指す」

日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は24日、金融庁から資金決済法に基づく自主規制団体の認定を受け、都内で記者会見を開いた。同協会の奥山泰全会長らが会見し、「利用者保護を最優先とし、業界の健全な発展にするよう、全力で努力していく」と語った。

立ち入り検査や罰金が可能に

今回、自主規制団体として認定されたことで「牽制機能を発揮できるようなる」(奥山会長)。自主規制を順守させるため、必要に応じて会員企業に対して立ち入り検査を行ったり、内部状況の報告を求めることができる。また自主規制規則に違反する業者に対しては、課徴金の形で罰金を課すことや会員資格停止といった処分も可能だ。

リスク管理やコンプラの専門家が参画

JVCEAの事務局は約15人の体制でスタートしている。金融機関でコンプライアンスやリスク管理に携わっていた人材を中心に参画。また弁護士や会計士なども出向の形で携わっている。

11月には20人体制に拡充する予定だ。さらにリスク管理やテクノロジーに精通した人材を整えていくという。

匿名通貨禁止や苦情処理など、規制は多岐に

自主規制規則・ガイドラインは、自主規制団体のホームページで公表されている。仮想通貨取引やシステム管理、利用者財産の保護、マネーロンダリング対策、苦情処理・紛争解決、広告・勧誘・利用者への説明、レバレッジ取引など多岐にわたる。

仮想通貨取り扱いに関しては、移転記録の追跡が困難な「匿名仮想通貨」については原則禁止する。

苦情処理についても、「今年前半には、業者側に連絡してもつながらないという声があった」(奥山会長)とし、業者側に苦情処理の対応を求めるほか、協会側としても苦情処理や紛争解決に取り組む。

レバレッジ取引における証拠金倍率については、上限4倍、また会員自身が決定する水準を選択利用とする(1年間の暫定措置)。前回の金融庁の仮想通貨交換業等に関する研究会では、メンバーの中から「2倍にするべき」といった意見も出た。奥山会長は「研究会の議論の内容も踏まえながら検討していく」と話した。

Zaif事件受け、セキュリティー面のルール強化

自主規制案を金融庁と議論する中で、テックビューロが運営する仮想通貨取引所Zaifでの流出事件が発生。7月30日に決めた自主規制案を短い時間の中でアップデートする事になった。

各事業者がホットウォレットで仮想通貨を保管する上限を20%として設定。またホットウォレット上で保管する仮想通貨に応じて、現金や国債といった安全資産を用意し、流出リスクに備えることを求める。

奥山会長は「ホットウォレットの上限はあくまで暫定的な措置。本当に必要なことは技術面での安全管理・セキュリティ強化に業界全体で取り組むこと」と強調した。今年11月には外部有識者を交えた技術委員会を立ち上げ、セキュリティ面の強化に取り組む考えだ

みなし業者や申請中の企業も会員に

現在はライセンスを持っている登録業者16社で組織しているが、今後は会員企業も拡大していく意向だ。まず11月から、みなし業者や交換業の登録申請中・申請予定の企業を「第二種会員」として受け付けを始める。

また18年度中には、ウォレットを専門とする業者なども「第三種会員」として、協会への加盟を促していく。

今後、多岐にわたる自主規制を徹底させるためには、事務局の拡大も必要になるとみられる。会員企業の拡大は、協会運営の資金確保のためにも不可欠なものになるだろう。

月次統計公表やICOルール策定も

12月からは会員企業の取引高といった月次統計の公表を開始する予定だ。国内の仮想通貨業界の動向がよりクリアになるとみられる。

またイニシャル・コイン・オファリング(ICO)について、12月までに自主規制を確定し、公表する予定だ。事業者が自らICOを行うケースや、交換業者がICOで発行したトークンの販売を行うケースについてルールを整備する。

自主規制整備で海外をリードか

奥山会長は「仮想通貨については早い段階で法整備がなされ、(仮想通貨分野で)日本はリーティングカントリーだと思っている」と語った。業界の自主規制についても「流出事件は遺憾だが、それを契機にして、ルール整備は海外に比べても早いスピードで進んでいる」と強調。日本の仮想通貨ビジネスが、海外をリードできる貴重な分野だと話した。