シルバーキャッスル社はイスラエル初となる機関投資家向けの仮想通貨投資専門企業だ。そのシルバーキャッスル社が今月、2種類の仮想通貨ファンドを運用開始した。ブルームバーグが11月18日に伝えた

シルバーキャッスル社の経営陣にはイスラエル財界の大立者が名を連ねている。その中には、イスラエル最大手のハポアリム銀行の元CEOや、同国最大の投資ファンド、プサゴット・オフェクの創設者がいる。シルバーキャッスル社の運用資産残高(AUM)は今年末までに5億ドルに達すると予測されている。

ブルームバーグも触れているように、昨今は世界的規模で仮想通貨投資ファンドの競争が激化している。オートノマス・リサーチ社のデータによると、仮想通貨を主要投資対象とする企業は370社以上に達し、全体の運用資産残高は100億ドル規模へと拡大している。

シルバーキャッスル社のエリ・ミズロフCEOはブルームバーグの取材に対し、機関投資家が仮想通貨市場に関わるにあたり、「圧倒的にセキュリティの高い」インフラを構築することを目指していると語った。

この投資会社を創設した理由についてミズロフCEOは、イスラエルの変動期にあるブロックチェーンエコシステムの存在が大きかったと述べた。イスラエルでは15年以降、国内のブロックチェーン関連企業が200%以上増えている。これはイスラエル国内のイノベーション産業の情報ポータルを運営するNGO、スタートアップ・ネーション・セントラルが調べた数字だ。

世界的に見れば、アメリカの投信大手のフィデリティ社がデジタル資産事業を開始したことがひとつの転換点となったとミズロフCEOは語る。仮想通貨業界に世界水準の投資サービス会社が進出してきたというわけだ。

シルバーキャッスル社が新たに運用開始した2種類のファンドのうち、第1のファンドは、アルゴリズム取引システムを基盤としつつ長期的戦略と短期的戦略とを組み合わせて、時価総額に基づく上位5種類のコインを対象とするという。

今年の仮想通貨市場は下げ相場が続いているが、ミズロフCEOがブルームバーグに述べたところによれば、社内でポートフォリオを組んでこのファンドを運用してみたところ、ドル換算で「2桁台後半」の利益を生んだ。

第2のファンドは、ブルームバーグの記事によれば、完全投資型かつ完全自動運用型で、時価総額に基づく上位10種類のコインについて、アルゴリズム的重み付けをした仮想通貨バスケット取引を行っていく。そのほか、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)に的を絞ったトークンベースのファンドも18年末までに運用を回する予定だ。

イスラエルブロックチェーン協会の創設パートナーであるガディ・イサエフ氏は、シルバーキャッスル社の創設はイスラエル金融界の「草分け的存在」が仮想通貨業界に進出してきたことを意味すると、その重要性を強調して述べた。イサエフ氏はブルームバーグに対して、「イスラエルの仮想通貨市場全体にとって画期的な出来事だ」と語った。

 

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— コインテレグラフ⚡仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年10月31日