ウィンクルボス兄弟のジェミニ・ドル、サークル社のUSDコインなど米ドルに1対1で連動するステーブルコインが増加していて、全部で50を超えるのも時間の問題という見方が出ている。一体なぜ人気が上昇しているのか?

エコノミストのロバート・レシュナー氏は、ステーブルコインの発行者にとって「良いディール」だと指摘した

レシュナー氏によると、ステーブルコイン は、いわば「デジタル版のドル」。発行者が購入者から利子ゼロで資金を借りれる上に、しばしば手数料までもらえる仕組みだ指摘した。米連邦準備制度理事会(FRB)が法定デジタル通貨のFEDコインを発行するのは「まだ非現実的」であって、民間企業によるステーブルコイン発行の流れは続くと予想している。

ちなみにレシュナー氏は、ステーブルコインを補完するサービスとして自身が設立した会社コンパウンド(Compound)を紹介。仮想通貨保有者がコンパウンドに仮想通貨を置く代わりに利子をもらえるというものだ。コンパウンドは、有名投資家のアンドレーセン・ホロウィッツやコインベース・ベンチャーズが出資している。

一方、仮想通貨取引所ビットメックスのリサーチ部門も、ステーブルコインが利子を払わなくてよい仕組みになっているという点で、レシューナー氏の分析に概ね同意。その上で、金利が上昇するとともにステーブルコインの発行者が儲かる仕組みになっているのではないかと指摘した

ビットメックスは、ステーブルコインの発行者がその裏付けのために十分な米ドルを保有すると主張する一方、そのドルをただ保管するのではなく、リスクの高い債券への投資に回すだろうと予想。高リスク高リターンの債券への投資が増えるとともに投資家への危険度も増加すると警告し、ステーブルコインに投資する前に次のことを確認するよう呼びかけた。

・提携先の銀行はどこか
・どのような債券をファンドが保有しているか
・一個人としてのあなたが等価(1ユニット=1ドルなど)で換金できるか?その時間はどのくらいかかるか?

FRBの利上げとその他の仮想通貨

先述のレシュナー氏は、その他の仮想通貨を「ベーパーウェア(公開・完成されるか分からないソフトウェア)」と表現。FRBによる利上げが、今後重しになる可能性を指摘した。

「私たちが知っている仮想通貨は、低金利かゼロ金利の世界での話しだった。余剰資金が世界中に溢れてどこでもリターンを探せば見つけられる状態だった。今後は、仮想通貨業界が見たことない利上げフェーズに入る。そうなれば株などの他の資産と一緒に多くの仮想通貨の価格に下落圧力がかかるだろう」

 

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