たった1頭のクジラ(大口投資家)がビットコインの最高値更新を引き起こしたとする極論に批判が集まっているが、それでもクジラの相場への影響力は否定できない。ビットコインのブロックチェーン上でクジラによる巨額資金の移動を追跡するホエールアラート(Whale Alert)は、「クジラが絶滅することはビットコイン相場にとって良いこと」とみている。SFOXが伝えた

ホエールアラートは、先月21日から22日のビットコインの20%急落と3日後の約60%急騰の背景にもクジラの動きがあった分析。クジラが持つ巨額ビットコイン取引と相場の動きには、因果関係とは言い切れないが相関関係が見られるという。

例えば、10月18日。韓国に拠点を置いていた世界最大級の児童ポルノサイト「Welcome to Video」の摘発で押収された1万BTC(約95億円)相当がバイナンスでオークションにかけられた。その結果、バイナンスのビットコインは8062.56ドルから7856.89ドルまで下落したという。

また、去年の8月29日から9月6日、あるクジラが10億ドル(約1090億円)相当のBTCを1つのウォレットから売却するために取引所に移した。9月6日、ほとんど全てのウォレットからビットコインが売られた時、ビットコインの価格は15%ほど下落した。

”眠れるクジラ”の恐怖

クジラ分析で難しいのは、クジラの実態がわからない点だ。とりわけビットコイン初期投資家系のクジラは、影響力を持ったまま眠っているケースがある。

例えば、あるアドレスは、8万BTC(約800億円)を保有しているが2011年以降で全く活動していない。ホエールアラートは、「もし『よし、売ろう』と決めたら、ビットコイン相場は完全に崩落することになる」と指摘。ただ、そのアドレスのステータスについて何かを論じることは難しいと述べた。

「秘密鍵をなくしたのか?保有者は生きているのか?それらについて何か言うことは残念ながら難しい。ただ、それらのアドレスで何かが起きるのを待つしない」

しかし、ホエールアラートは長期的にはクジラが絶滅すると楽観視している。今はビットコインを始めた人々が多くのビットコインを保有している状況だが、「結局、彼らはコインを売らなければならなくなる。より多くの人々が興味を持つにつれて、ビットコインの分配度合いは少しずつなだらかになる」と予想した。