ビットコイン関連の技術開発会社であるブロックストリームは、5月12日のConsensus Distributedで、ビットコインのサイドチェーンであるリキッド上に人気ゲームフォートナイトの仮想通貨版である「ライトナイト」のNFTトークンを追加した発表した。リキッドによるNFTトークンサポートは初めてだ。

ライトナイトは、独立企業のSatoshi’s Gamesが開発。ブロクストリーム社がスポンサーとなっている。ライトナイトは、ビットコインを使ったバトルロイヤルゲーム。他のプレイヤーを撃つことでビットコインを稼ぎ、撃たれるとビットコインを失う仕組みだ。

ライトナイトは、トークンの唯一性を担保するNFT(ノン・ファンジブル・トークン)を活用。今後リキッドのネットワーク上でユニークなNFTがトレード可能になる。以前はプレイヤーがゲームアイテムの稀少性について開発企業を信用しなければならなかったが、今後はリキッド上で自ら確かめることができるようになる。

イーサリアムの開発者であるベンジャミン・ディフランセスコ氏は、「NFTは愚かなもので使いにくい」という批判から「ビットコインはNFTのようなこともできる」というストーリーの変化が起きるだろう予想した

リキッドは、決済ネットワーク。仮想通貨取引所同士をサイドチェーン上でリンクさせ、リキッド上で発行するL-BTCは、メインネット上のBTCと1対1の関係を持っている。

リキッドの狙い

ブロックストリーム社のマーケティング担当であるネイル・ウッドファイン氏は、コインテレグラフ の取材に答え、リキッドについて「極端に中央集権化した」取引所業界を改善することが目的と解説。1つの取引所を信用するより取引所の連合を信じる方が良いと話した。

「ビットコインと同じくらい分散型かという質問についてだが、答えは分からない。しかし、古いシステムの改善策となっているか?この点では答えはイエスだ」

リキッドは、ビットコインネットワークの取引所間の取引という負担を取り除こうとしている。ウッドファイン氏によると、ほとんどのビットコイン取引が取引所間で行われている。

「仮に連合が不正を行い始めたとしても、ユーザーは現在のバランスを使って自身の連合を始めることができる」と同氏は続けた。

一方、NFTに関しては慎重な姿勢をみせた。

「現在のところ、我々は会社としてはリキッド関連のプラットフォームを使ってNFTを発行を推進する計画はない。誰かがそのようなことをやろうとしているのであれば、サポートしようとは考えている」

Satoshi’s Gamesは、ブロックストリーム社から技術的な支援を受けたが、金銭的な支援は受けていないという。

イーサ支持者からは疑問の声も

一方、NFTの代名詞となっていたイーサリアム(ETH)の支持者からは疑問の声が出ている。

シンセティックス創業者のケイン・ウォーシック氏は、コインテレグラフ に対して、「リキット上でのトークンはほぼ意味がない」と発言。「ゲーム開発企業によって運営されるプラットフォームより、ほんの少し良くなっただけだ」と厳しく指摘した。

スクエニ出資のザ・サンドボックス共同創業者であるセバスチャン・ボーゲット氏は、融和的な見方を示した。

「結局のところ大事なのはどの技術やどのブロックチェーンを使うかではなく、どのくらいゲームが楽しいかだ」

翻訳・編集 コインテレグラフ ジャパン