極めて不安定な資産クラス
従来の投資家がビットコインを避けていた理由のひとつに、価格が極端に変動したことが挙げられる。その価格は今年初めの1000ドルから伸び、3000ドル(ピーク時の-40%)へと暴落する前にピークを迎え、2017年9月の時点で5000ドル(+400%の増加)にまで上昇した。これでさえも、初期のビットコイン価格が2011年に32ドルから2ドルへと暴落(94%の減少)した時からの向上を表している。低ボラティリティの期間はあったものの、これらはとても稀であった。ビットコインはデジタルゴールドと呼ばれているかもしれないが、ボラティリティに関しては、強化版の株式市場のように見える。
 


ボラティリティはトレーダーにとってチャンスである

デイトレーダーや短期投資家にとって、ボラティリティは利益を生むチャンスである。正確にビットコインの短期的なトレンドを予測することによってトレーダーは、長期保有戦略を持つ投資家よりも相当な利益を上げることができる。
変動の激しい市場は、オプションのような二次的な金融派生商品への需要を生む。
仮想通貨市場が発展するにつれ、ビットコインそのものの取引よりもデリバティブ商品の取引の増加を見る事が出来る。

ロンドンの金取引の95%は金属現物の受渡しを行わず保有権利だけ有する物(unallocated metals)であると推測されている。ビットコインは未だ初期段階にあるが、ビットコインにおいても市場が発展するにつれその取引に同じ特徴を見出すことができるだろう。


商売人にとっては悩みの種
 
いくら現代テクノロジーに精通していようが、商売人は自らの商品やサービスに対してビットコインを受け付けるのをためらうだろう。彼らのコア・コンピタンスは商品やサービスを提供することにあり、ビットコインのボラティリティを管理することではない。
 
彼らは利益率の低い商売をしており、クレジットカード会社によって課せられる1から2%の取引手数料をも嫌う。
顧客からビットコインを受け付け、現地通貨と引き換えにそのビットコインを売るまでにビットコインの価格は大幅に変動する可能性がある。この価格変動は彼らの収益性を消し去りうる。
これこそほとんどの商売人がCoinbaseのような、ビットコインを保持するリスクを除いてくれる決済処理機関を通してでしかビットコインを受け入れない理由である。
 
成長にはボラティリティが避けられない

ビットコインは比較的新しい資産クラスである。ビットコインについての一般の人々に対しての認知度は上がったものの、その内の少数の人々しかかなりの量のビットコインを持っていない。
さらに、ビットコインの規制されない性質やそれに関わるリスクを受け、機関投資家はビットコインを避けてきた。
ビットコインがますます採用されとその需要が増えるにつれ、その価格が急激に上がる可能性を秘めている。
これと同じように、中国での仮想通貨取引の中止のようなネガティブなニュースがあるとき、ビットコイン保持者の何人かは売りに出すため、その価格は急激に下落することもありえる。
 
ビットコインを保持することが広く広まり、その流動性が十分に良くなるまで、我々はビットコイン価格に大幅なボラティリティを見ることになる。

※原文
https://cointelegraph.com/news/is-bitcoins-volatility-such-a-bad-thing