ビットコインにも新型肺炎コロナウイルスによって、リスクオフの波が押し寄せてきている。

2日の仮想通貨ビットコインは8600ドル付近を推移しており、アルトコインも軒並み下落、低調な展開だ。株や金ほどではないにしろ、仮想通貨も世界情勢の影響を受けているようだ。コロナウィルスは米国ニューヨークでも初めての感染者が確認されている。

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(出典:Coin360 3月2日12時00分)

金が急落

世界株価が急落する中で、金が急落している。金は安全資産とされているため、通常は資金が流入し、株価急落では買われることになる。実際に2月上旬の株価急落局面では米国債同様に買われた。28日には2013年以来の下落幅を記録している。

この動きについて、仮想通貨アナリストのアレックス・クルーガー氏は「マージン・コール(追証拠金)だ」と解説。

マージンコールとは先物やオプション取引などで証拠金の総額が相場変動によって必要額よりも不足した場合に追加しなければいけない額のことだ。今回も相場が予想以上に悪化したため、投資家が元本以上の投資が可能な先物取引で、含み損への対応が迫られ、ポジションの維持と決済にキャッシュが必要となっている。

そのため、通常ではあれば、金市場に流れるはずの資金がなくなり、連れ安の状態を引き起こしている。

ビットコインにもリスクオフ?

一方で、こうした悪影響はビットコインにも広がっている。金ほどではないにしろ、じわじわと下がっている。今日未明には8450ドルまで下落していたが、足元では若干反発している。

こうした状況について、仮想通貨投資会社ギャラクシーデジタル創業者のマイク・ノボグラッツ氏は現在のビットコインがリスク資産のように取引されていると指摘。投資家がレバレッジを引き下げ、損失を補うために利益を確定しようとしていると分析した。

こうしたリスクオフへの動きについては、これまでに仮想通貨トレーダーのジョセフ・ヤング氏なども「コロナウィルスはビットコインにとって必ずしも強気でない」と話している。

ただ、コインメトリックスは新型コロナウイルスによって、ビットコインが上昇しない理由について「不透明な地政学的状況」というより「マクロ経済的なショック」である可能性が高いと分析している。