米中貿易戦争の激化など世界経済の危機的状況は、すなわちビットコインにとって追い風である。

先週末からのビットコイン上昇を説明するストーリーとして、「ヘッジ」や「安全資産」としてビットコインが機能したという解説が相次いだが、そうした見方は短絡的という声も出始めている。

ロイター通信によると、ロンドンに拠点を持つ仮想通貨プラットフォーム「ルノ(Luno)」のマーカス・スワインポーエルCEOは、安全資産というよりボラティリティ(変動幅)上昇に伴って投機的な賭けが増えたと指摘。「(賭け)に負けた時にはあまり失うものがないが、勝ったら大きなリターンがもらえる」という心理が今回の上昇相場を支えたとみている。

また、金(ゴールド)と異なりビットコインにはハッキングの歴史があるとし、「もし取引所がハッキングの問題を解決したら、長期的に安全資産として機能するだろう」という見方も出ている。

さらにザ・ブロックのアナリストであるラリー・サーマック氏は、世界的な金融危機や為替戦争が直接ビットコインに追い風になるという考えに警鐘を鳴らした。

高リスクで流動性のある資産は、そうした状況ではパフォーマンスが悪くなる傾向があるとし、「盲目的にビットコインに好都合と決めつけるのは危険だ」と述べた。