世界最大の仮想通貨(暗号資産)取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)はコインテレグラフの独占インタビューに応じ、バイナンスによる買収や事業の水平展開が進むにつれて「中央集権化が進んでいるのではないか」の仮想通貨業界からの懸念について応えた。

CZ「自由市場は機能している」

CZ氏は仮想通貨エコシステム全体でバイナンスの存在感が増していることについて、「基本的に賛否両論あるだろう」と述べたうえで以下のように述べた。

「我々が大きすぎるのではないかという懸念がある。ただしかし、なぜユーザーは我々を選ぶのだろうか。もし我々が影響力を乱用していたら、ユーザーはバイナンスを選んでいないだろう」

としてユーザーファーストである点を強調。さらに以下のように続けた。

「確かに我々はかなり大きな企業となった。しかし、成長を続ける理由は独占的な力を悪用しているからではない。他の何千もの取引所があるように競争は厳しい」

CZ氏は「価値を破壊するのではなく、ユーザーに価値を提供し続けたいと考えている。そして自由市場は機能している。力を悪用すればユーザーは去っていくだろう」と強調した。

バイナンスはまだ小さい

さらにバイナンスが大企業のようになってきているとの批判についても「バイナンスはまだ非常に小さな企業だ。伝統的な組織と比較した場合の時価総額ではまだ非常に小さい」と述べ、テック企業と比較した。

「ユーザー数の面でも我々はまだ小さな企業だと言える。全ての仮想通貨ユーザーを合計すると、全人口の1000分の1のような小ささで、Facebookのような人口の3分の1を有する大企業もある」

ラッキーだった

バイナンスは2017年のローンチからわずか半年で取引量で世界最大になるほど急成長したことについては「予想外だった」とも述べた。

立ち上げ時当時は仮想通貨と仮想通貨を交換する大きな取引所が2つあったのみで、対応言語も英語のみ、ウェブ上での取引のみであったことを説明。モバイルアプリもなく、アジア地域を対象にしたユーザーをターゲットにした主要な取引所がない中で、「入り込む余地が絶対にある」と考えていたという。

「当時の目標は「3年後に1位になるように頑張ろう」というものだったが、時にはラッキーなこともあるね」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン