米国政府で29年間勤務し、そのうち3年間は国税庁(IRS)刑事捜査チームの責任者を務めたジム・リー氏が、仮想通貨分析会社チェイナリシスに移籍したことが明らかになった。

4月8日の発表によると、リー氏はIRSを退職し、チェイナリシスのグローバル・キャパシティ・ビルディング責任者に就任した。リー氏は「国際機関が仮想通貨犯罪対策のソリューション開発を支援することに注力する」と述べている。

IRS刑事捜査部長時代、リー氏はチェイナリシスと協力して違法目的で使用された仮想通貨の押収に携わったこともある。2023年12月には、デジタル資産がテロ資金調達やランサムウェア攻撃のリスクをもたらすと指摘しつつ、大多数の人々がこの技術を「正当な目的」で利用していると語った。

「仮想通貨は金融に透明性と効率性をもたらずが、まだ初期段階にある」とリー氏は述べている。「時間をかけて、この技術は人々に自分のお金のコントロールをさらに強化し、世界中の金融包摂を促進し続けることができるだろう。しかし、あらゆる種類の犯罪者もまた、仮想通貨を迅速に採用している。」

3月のリンクトインの投稿でリー氏は、「次の人に道を譲り、リーダーシップを託す時が来た」と述べている。

リー氏は移籍理由について、同社が「民間部門において仮想通貨を安全なものにする」という点で先駆的な役割を果たしていることを挙げている。同社は、パンデミック中のランサムウェア攻撃や、税務申告のための取引追跡など、米当局と仮想通貨犯罪に関する多くの案件で協力してきた。