アイルランドの最高裁判所は、薬物密輸に関与したとして、ビットコイン(BTC)5200万ユーロ(約63億円)相当を含む6200万ユーロ(約75億円)の男の資産を差し押さえた。同国ニュース Independent.ie.が2月19日に報じた。
男の名前はクリフトン・コリンズ。犯罪資産局(CAB)による同資産差し押さえ申請に対し、異議を唱えなかったという。
警察は、検問で男の自動車から大量の大麻を発見。同国のギャラウェイの住所を調査したところ、大量の大麻の苗木が見つかったとされる。
男は、初期段階にビットコインに投資し、かなりのリターンを手にしていた。CABは、その資金を裁判所の承認なしに移動させないよう凍結したとされる。
裁判所は、その資金は犯罪による利益で得たものだと判断し、ビットコインへの初期投資費用も薬物販売で得たものだと結論付けた。
仮想通貨と麻薬密売
仮想通貨と犯罪の関係は、個人の身元とリンクされない仮想通貨アドレスという特徴によって引き起こされている。
そのため、取締当局は、麻薬密売の違法オンラインマーケットを調査し、仮想通貨の利用されているのを発見している。2018年には米ウィスコンシン州の裁判所が、薬物販売に絡み、17BTCを押収している。
昨年8月には、国連薬物犯罪事務所のサイバー犯罪プログラム局のニール・ウォルズ局長は、仮想通貨の存在が、サイバー犯罪やマネーロンダリング(資金洗浄)、テロ資金調達などの対策を著しく困難にしていると警告した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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