イラン中銀が仮想通貨に関する規制草案を発表 | 巨大ビットコイン市場からは不満の声も

イランの中央銀行が仮想通貨に関する規制草案を発表した。29日付のアルジャジーラが報じた。イランはこれまでビットコインなど仮想通貨による取引を禁止していたものの、今回の草案ではこの方針を覆した形だ。ただ、依然として国内での決済手段としての仮想通貨の使用は禁止しており、イランの仮想通貨コミュニティーからは不満の声も出ている。

イラン中央銀行の草案

アルジャジーラによると、イランの中央銀行はビットコイン、イラン政府発行の独自仮想通貨、および地域仮想通貨を含む世界的な仮想通貨を「認識し、承認」。また、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)、トークン、仮想通貨ウォレット、仮想通貨交換所、およびコンピューターの計算能力を使用して仮想通貨を生成するプロセスであるマイニングを「承認」した。

また、デジタルトークンは認証された銀行でしか取扱いができず、ライセンスを受けた仮想通貨取引所でのみ取引することができると言及した。

ただイランの中央銀行は、イラン中央銀行は支払いに未承認の暗号通貨の利用を禁止する可能性示唆(The Block要約)。承認される暗号通貨は何かはまだ明確になっていないが、承認された少量の暗号通貨を保持したり転送することに関しては制限しない見通しだ。昨年4月にイランは、1万ユーロ(約125万円)相当以上の保有禁止を発表。法定通貨のリアルを保護する狙いがあると見られている。この草案はまだ承認されておらず、今日および明日テヘランで開催される電子銀行および支払システム会議で議論される予定だ。

米国からの経済制裁を回避するため仮想通貨の可能性に目を向けるイランは、今週、独自の仮想通貨を発表する可能性が報じられている。また28日付のテヘラン地元紙テヘラン・タイムズによると、イラン政府は既にスイス、南アフリカ、フランス、イギリス、ロシア、オーストリア、ドイツ、そしてボスニアと仮想通貨での決済に関して交渉に入っている。イラン独自仮想通貨との関連は定かではないが、米国の制裁回避という目的では一致しているそうだ。

今回のイランの中央銀行の草案は、あくまで草案であって、規制緩和を示すものではない。しかし、ビットコインやマイニングの可能性を認めた点において一歩前進したと言えるかもしれない。今後、リアル保護と規制との兼ね合いでイランがどう動くかも注目だ。

1000万ドル/1日の市場

イランが国内での支払い方法として仮想通貨の使用を許可しているかどうかに関係なく、イラン・ブロックチェーン協会の役員であるSoheil Nikzadによると、イランでは一日に約1000万ドル(約10億9000万円)相当のビットコイン取引が行われている。

今回の中央銀行の規制草案発表について、アルジャジーラによると、イラン人仮想通貨トレーダーのAlh Jazeera氏は、「国際的に認められている仮想通貨を支払い方法として禁止することは、私や私のような多くの人の仕事に悪影響を与える可能性がある」と発言。「中央銀行が再びビットコインやその他の仮想通貨の使用を制限しないことを望んでいた」と失望感を示したという。

イランで盛り上がるマイニング業 

ニューヨーク・タイムズによると、イランの安い電気料金に惹かれてイランでのマイニング事業を計画する欧州人やロシア人、アジア人が増えている。イラン政府からの多額の助成金により、格安の電気代(1キロワット=0.6セント)を提供できるイラン。 米国の平均12セント、ドイツの35セントと比べて、かなり割安だ。記事によると、ここ数カ月の間に、欧州やロシア、アジアからの数十人もの外国人投資家がイランなどのように低コストの国に採掘事業を移転することを検討しているという。