国際的な銀行監督機関にあたるバーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、銀行が仮想通貨を扱うことで生じるリスクをや、銀行がどの程度仮想通貨保有すべきかという課題に取り組んでいる。

日本銀行および金融庁は11月5日、BCBSが10月30~31日にスペイン・マドリッドで開催した会合について議事録要旨を公開したと発表した仮訳は11月8日発表)。英メディア「ビジネス・レポーター」の11月7日付け記事によると、BCBSは、仮想通貨の慎重な取り扱いに関する論文(ディスカッション・ペーパー)の発行に同意したという。

BCBSは、金融機関を対象とした国際的なルールを協議・決定し、継続的な協力を行うため創設された機関。米国・EU・日本などG20を中心に、中央銀行および金融当局代表により構成されている。

議事録要旨によるとBCBSは、仮想通貨のエクスポージャー(市場の価格変動リスクの影響を受ける資産の割合)を検討する際に、銀行は仮想通貨のリスクを考慮する必要があると表明した。

「バーゼル委は、銀行の暗号資産エクスポージャーに係る健全性規制上の取扱いは、暗号資産の高いリスクを適切に反映すべきとの見解を改めて表明した」

またBCBSは、仮想通貨市場において現在進行中の取り組みを踏まえ、仮想通貨の慎重な取り扱いに関し利害関係者の見解を求めることにしたという。

さらにBCBSは、銀行が金融機関以外の企業とサービス展開を行う「オープンバンキング」、プログラミング言語JavaScriptやPythonなどを使い銀行のサービスやデータを外部金融機関・企業と連携させる「オープンAPI」に関する報告書を11月公表することに合意。今後BCBSは、金融サービスにおける人工知能や機械学習の利用にからむリスク管理課題、規制されていないサード・パーティーに対する銀行の依存について検討することも発表した。

BCBSは、銀行の自己資本比率や流動性比率に関する国際統一基準「バーゼルIII」を2022年1月より段階実施予定(2027年に完全実施予定)することへの期待を再確認した。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版