ギャラクシーデジタルのトークン化部門責任者トーマス・コーワン氏によれば、ビットコイン(BTC)の価格変動は、もはやトークン化などの仮想通貨関連技術に対する機関投資家の関心に影響を受けないという。トークン化がビットコインに依存せず、自立した価値基盤を持ち始めていることを意味する。

コーワン氏は水曜日、ニューヨークで開催されたカンファレンス「ザ・ブリッジ」でコインテレグラフに対し、ここ数か月で「トークン化への関心とビットコイン価格との間に乖離が見られる」と語った。

「これまでのサイクルでは、ビットコインやほかのアルトコインが上昇するとトークン化への関心が高まり、伝統的金融機関が仮想通貨やトークン化チームを作り始めた。しかし価格が崩れると、これらのチームは縮小した」とコーワン氏は指摘する。

「だが今は、ビットコイン価格とはほぼ独立した状態に近づいている。人々はブロックチェーンが伝統的金融資産の移動や保管にもたらす恩恵を理解し始めている」

石油や債券などの資産をブロックチェーン上でデジタル表現するトークン化は、過去1年で大きく成長した。トランプ政権が仮想通貨規制を緩和したことで、主要な伝統金融企業からの関心が高まっているためだ。

一方、ビットコインは今年、10月上旬に12万6000ドル超のピークに達したものの、その後は約20%下落して現在は約10万2000ドル付近で取引されている。

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ギャラクシーのコーワン氏 Source: YouTube

仮想通貨業界は「トークン化のメリット」を示す必要

コーワン氏は、来年には仮想通貨業界が金融機関に対し、トークン化が「資産を移動・保管するための、より優れた・速い・安価な手段」であることを“実際に示す”段階に入ることを期待しているという。

「数十年単位で考える大企業が『これは耐久性ある長期トレンドで、不可避な流れだ』と言えるように、我々がその技術の明確なメリットを示せるかは極めて重要だ」と同氏は語る。

ステーブルコインからマネーマーケットファンドへ

今年、米国がステーブルコイン規制法を可決して以降、ステーブルコインは爆発的に普及しており、コーワン氏はこれを「すでに走り出しているユースケース」と表現した。

また、国債などに投資するマネーマーケットファンドのトークン化も本格的に登場し、機関投資家の関心が高まっているとコーワン氏は指摘する。

「資産をオンチェーンに移動させる人々は、ステーブルコインを保有することで捨ててしまっているリスクフリーレートを求めるようになる」とコーワン氏は述べ、「ステーブルコインからマネーマーケットファンドへ移るのは極めて論理的な次のステップだ」と話す。

コーワン氏は、業界がすでに「この技術こそが本当に変革的だと、これまでサイクルの傍観者だった大手金融機関に示す段階に近づいている」と述べた。

「今こそ投資すべき時だ。彼らはこれからの数年で、その変化が現実になるのを見ることになる」と語った。

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