連邦預金保険公社(FDIC)の監察総監室(OIG)は、商業銀行と貯蓄銀行に預金保険を提供する独立した米国政府機関であるFDICの暗号資産リスク戦略についての評価報告書を公表した。報告書の一部は編集された形で公開された。
OIGによれば、FDICは2022年初頭に仮想通貨リスクに対する「ボトムアップ」のアプローチを採用した。そのアプローチは、監督下の機関の仮想通貨関連の活動を理解し、ケースバイケースでフィードバックを提供し、「広範な業界ガイダンスを提供する」ことから成る。
金融機関の仮想通貨活動を理解するため、FDICはそれについて尋ねる書簡を発行している。2023年1月現在で、96の機関が暗号資産に対する関心を示し、現在の活動を提供している。FDICからフィードバックを受け取った機関の数は黒塗りとなっている。一部の機関はFDICが評価を完了するまで仮想通貨関連活動を一時停止するよう助言されたが、その数も隠されている。
OIGはFDICが暗号資産に関連するリスクについて戦略を策定し始めたが、それは不完全だとした。「しかし、当局はリスクの重要性と潜在的な影響を評価していない。具体的には、FDICはまだリスク評価を完了しておらず、監督下の機関にガイダンスを発行するなどの行動を通じて暗号資産関連のリスクを十分に対処できるかどうかを判断していない」とOIGは語った。
またOIGによれば、FDICはリスク評価を文書化し、その重要性を評価し、ガイダンスなどの緩和策を策定すべきだ。さらに、書簡へのフィードバックを提供するプロセスは不明確だ。レビューの時間枠やプロセスの明確な終了がないとOIGは述べている。OIGはこれらの状況を解決するために2つの勧告を提出した。
FDICは既にこれらの勧告に同意し、2024年1月末までに是正措置を完了する予定だと指摘した。監察総監室は1978年に米国の連邦機関に導入され、独立した監査、評価、調査を提供している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン