トークン・タクソノミー・イニシアティブ(TTI。Token Taxonomy Initiative)は11月4日、トークン構築に関する標準化仕様「トークン分類フレームワーク(TTF) V 1.0」を発表した。TTFは、プラットフォームや技術、トークン実装方法に関係なく、任意のトークンがどのようなものか、開発者・企業・法務関係者・規制当局が(非技術用語で)理解できるよう、定義・用語を定めたものとなっている。
TTIは、交換可能な通貨(有形・無形資産)の特徴を備えるトークンについて、ビジネス向けの共通定義・概念などの標準策定を目指す団体。アクセンチュア、コンセンシス、4大会計事務所のひとつアーンスト・アンド・ヤング(EY)、分散型台帳技術(DLT)プロジェクト「ヘデラ・ハッシュグラフ(Hedera Hashgraph)」、IBM、インテル、JPモルガン(JPM)、スペイン大手サンタンデール銀行、マイクロソフト、法人向けブロックチェーン「コルダ」を開発しているR3、ウェブ3ラボなどが参加している。
TTIは、ブロックチェーン・プラットフォームのトークンにはさまざまな実装が存在するものの、技術・ビジネスの両面で協力する場が不足しており、相互運用性や規制問題に対処するための共通基盤が不足していると主張。この解決のため、ユースケース・分類法・用語、および基礎となるテクノロジーに依存しない仕様を含むトークンの明確な概念・定義を策定したという(概要草案にあたる文書はGithub上で公開)。
またTTFでは、ビジネス要件に基づいてトークンを説明できる定義をビジネスマンに提供すること、開発者がさまざまなプラットフォームにおけるトークン標準化に必要な要件を確認できることを目的としたそうだ。
さらにTTIは、標準化した用語・定義を利用することで、業界用語や実装方法を理解することなく、次世代トークンを含めビジネスモデルやサービス・製品を設計できると主張している。
EEA(イーサリアム企業連合)理事会メンバー兼TTI議長を務めるマイクロソフトのマーリー・グレイ氏は、新しい標準が複数プラットフォームにまたがる取引(トランザクション)の促進に役立つとして、次のように述べた。
「チケット、サプライチェーン、株式、財産権、ポイントなど、ブロックチェーン基盤の製品やサービスにかかわらず、トークンはさまざまなプラットフォーム上で流通させる必要がある。異なるプラットフォームをそれぞれ最大限に活用しつつ相互運用性を高めたい場合、まず共通の規約・仕様に沿って相互に通信できる必要がある。標準化は、その第1歩だ」
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版