10月29日のビットコインは24時間比ではわずかに下落したものの、依然として9400ドル付近で推移している。 アナリストの中からは、今週もし8500ドルのサポートを維持できれば、年末までに1万2000ドルまで上昇するかもしれないという声が出ている。

(出典:Coin360 10月29日19時00時点)

習近平国家主席のブロックチェーンに好意的な発言を受けて盛り上がる仮想通貨市場。中国の共産党機関紙からは「落ち着いて」とたしなめられるほどの熱狂ぶりだ。ビットコインETFの否決、フェイスブックへのあまりにも大きな逆風、テレグラムのトークンに対する違法判断など、ネガティブニュースに落ち込んでいた市場の反動が大きいとも言えそうだ。

そんな中、金融顧問サービス大手のデヴィア(deVere)のナイジェル・グリーンCEOは、50日間移動平均が200日間移動平均を下回る弱気パターン、いわゆる「デスクロス」をいかに回避できるかが今後の焦点となる指摘。次のように続けた。

8500ドルのサポートは、以前もビットコインにとって重要なサポートとして機能した。もし来週にかけてこの水準をキープできれば、ビットコインは上昇基調に乗り年末までに1万2000ドルをつけるだろう。

またグリーンCEOは、習主席のブロックチェーンを推進するという発言について、「ビットコインが(ブロックチェーンの)重要な部分を占めているため、デジタル通貨セクターにとってもポジティブな材料」と評価。中国人民銀行がデジタル通貨を開発していることにも触れ、「デジタル通貨が未来」という証拠となったと述べた。

グリーン氏は、8500ドルが維持されれば投資家のFOMO(取り残されることへの恐怖)による買い圧力を期待できるとみている。

今回のデスクロスは無効?

ただ、今回のデスクロスは有効でないという見方もある。

著名仮想通貨アナリストのアレッシオ・ラスターニ氏は、デスクロスは短期と長期の移動平均線の双方が下がっているときにのみ有効であると指摘。「現在は50日間SMAは下落しているが、200日間SMAは上昇している」とし、「たとえデスクロスが起きたとしても、有効にはならないだろう」と述べている

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