ニューヨーク証券取引所の親会社インターコンチネンタル取引所(ICE)が手がける仮想通貨プラットフォームのバックトが29日、仮想通貨のカストディ(資産管理)企業を買収したと発表した。バックトによるビットコイン先物取引開始にむけて追い風になるかもしれない。
ICEが買収したのは、デジタル・アセット・カストディ・カンパニー(DACC)。13のブロックチェーンと100以上の資産をサポートする。今回、DACCの全てのチームメンバーがバックトに入社することになる。
またバックトは、ニューヨーク州の規制当局に対して信託会社として運営する許可を申請していることも明かした。申請が通れば、デジタル資産に対する登録済みのカストディアンとして営業できることになる。
カストディ・サービスとは、投資家のために証券を保護するほか、元利金・配当金の代理受領、運用資産の受渡し決済、運用成績の管理などを提供するサービス。バックトはビットコイン先物取引の開始を目指しているが、仮想通貨の保管方法をめぐってCFTC(米商品先物取引委員会)が難色を示していると報じられていた。
バックトが計画しているのは、現物受け渡しのビットコイン先物。現物受け渡しとは、投資家が先物の指定受渡日に現物、つまりビットコインを受け取る金融商品。現金で受け取るシカゴオプション取引所(CBOE)と米シカゴ先物市場(CME)のビットコイン先物とは異なる。
今月19日には、バックトがビットコイン先物を開始するためにニューヨーク州か同州で仮想通貨事業を行うためのビットライセンス獲得を検討していると報じられた。
バックトのビットコイン先物について、市場関係者からは「機関投資家を呼び込む上でビットコインETFより大きなニュース」という見方も出ている。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 ICE’s Bakkt Announces Acquisition of Digital Asset Custody Company