米IBMは19日、ブロックチェーン技術を活用した塩粒より小さいサイズの世界一小さいコンピュータ―が、近い将来に「毎日使用するデバイスに取り付けられる」ようになると発表した。
今後5年以内に起きる技術的イノベーションを紹介するために毎年発表される「5イン5レポート」で、IBMの研究所のアルビンド・クリシュナ所長がブロックチェーン技術が導入されるという見解を示した。
この発表は、ラスベガスで開催されているイベント「IBM Think 2018」の初日に行われた。
「今後5年以内に、インクドットや塩粒より小さいコンピュータ―という形で、暗号化アンカーが日用品やデバイスに組み込まれるようになるだろう」
「(暗号化アンカーは)ブロックチェーンの分散型台帳技術と共に、生産場所から顧客の手に渡るまでの間のプロセスを可視化するために使われる」
今回の発表は、IBMがここ数年の間進めてきたブロックチェーンの実験が新たな段階に入ったことを示すものだ。
サプライチェーンのセキュリティ市場の競争が激化する中で、IBMの新しいナノチップの処理能力は、1990年代初頭のより大きいサイズのナノチップと同性能のものだ。
しかも極小サイズでありながら、「モニタリング、分析、通信、さらにデータに従って作用する」ためのデータ処理が可能だという。
IBMと物流大手マースクは今年1月、ブロックチェーンを活用したサプライチェーンの運用を開始した。準備には1年以上を要した。
またIBMはブロックチェーン関連のスタートアップに特化したファンドに投資していることも最近明らかにしていた。