ドイツの物流大手DHLは12日、コンサルティング企業のアクセンチュアと提携し、ブロックチェーン技術を元にしたサプライチェーンのプロトタイプを開発したと発表した。

 両社はサプライチェーン全体で医薬品を追跡するため、6地域にノードを設置したブロックチェーンのシリアライゼーション・プロトタイプを開発した。

 医薬品を追跡する台帳は、製造会社、倉庫、流通業者、薬局、病院、医師などの関係者で共有するのを検討している。実験室におけるシミュレーションでは、ブロックチェーンが1秒あたり70億個以上の独自のシリアルナンバーと1500種類以上の取引を処理できることが明らかになった。

 許可型ブロックチェーンは、ここ1年でアクセンチュアが継続的に関心を抱いている領域だ。アクセンチュアは昨年9月、いわゆる編集可能なブロックチェーンの特許を申請している。暗号技術の主要な機能は維持しつつ、人的ミスの解決、法令や規制当局からの要求への対応、不法行為やその他の問題への対処を、企業が行えるようにする技術だ。

 DHLサプライチェーンのキース・ターナーCIOは「ブロックチェーンは、胸の高鳴るような可能性を医薬品業界に与えると考える。アクセンチュアとの概念実証の焦点を、生命科学と医療の業界に合わせたのはそのためだ」と述べ、「ブロックチェーン技術に本来備わっている性質によって改ざんを浮き彫りにし、偽造品が出るリスクを減らし、実際に人の命を救う場面で、大きな一歩を踏み出すことになるだろう」と強調した。