ハイパーレッジャーのエグゼクティブディレクターを務めるブライアン・ベエレンドルフ氏は、ブロックチェーン技術がシリコンバレーの大手テクノロジー企業の力を抑制するのを期待していると語った。コインテレグラフ・ドイツ版が6日に伝えた

 同氏は、スイスのビジネス紙ハンデルスツェイトゥングの取材に対し、次の技術の波が「シリコンバレーによって作られることはないだろう」と述べ、「ブロックチェーンに関して言えば、彼らには盲点がある」と指摘した。

「グーグルやアマゾン、フェイスブックなどの大手テック企業は間違いなく、ブロックチェーンをピックアップしてそこからビジネスモデルを作り出すだろう。しかし、ブロックチェーンのコア部分、つまり分散型技術としてのブロックチェーンは、彼らの市場支配力を弱めることになるだろう」

 同氏は、現在のブロックチェーンや仮想通貨のブームと90年代後半のITバブルとの間には共通点があると述べた。

「それはシリコンバレーの企業の創業者らがどんなビジネスプランでもものにできた時代だった。近頃のブロックチェーン関連の投資市場でさえ、確実に過熱してきている。このように多くの資本がソフトウェア開発に流れていることは良い面だ」

 同氏によると、ハイパーレッジャーは「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)市場や仮想通貨市場には全く注目しておらず、ブロックチェーン技術の将来性だけに注目している」という。また、サプライチェーンの実証試験をしているブロックチェーンプロジェクトには十分な注意が向けられていないとも語った。

 英国を拠点とするジュニパー・リサーチはこのほど、調査結果を発表し、多国籍テクノロジー企業によりブロックチェーン技術が統合されるのは時間の問題だと指摘した。調査によると、多国籍テクノロジー企業10社のうち6社が、ブロックチェーン技術の採用を検討している、もしくはすでに独自のブロックチェーンサービスを開発中であると回答した。

 フェイスブックは先月、コインベース取締役のデビッド・マーカス氏が率いるブロックチェーン検討委員会を立ち上げた。マーカス氏は「フェイスブックにおけるブロックチェーンのベストな活用方法をゼロから検討する」と述べた。