著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
20日のビットコイン(BTC)対円相場は続落。終値は3万円安(- 4.02%)の73.8万円と、対ドルで節目の7000ドル水準(≒75.3万円)を再び割り込んだ。東京時間のこの日の相場は、一時前日の下げ幅を掻き消す勢いで上昇するも、19年終値(77.9万円)付近の水準がレジスタンとなり、欧州市場時間に入ると反落。NY時間には原油価格の暴落を眺め、一段と下げ足を速め、一時73万円付近まで相場は下落した。この日のNY市場では、原油貯蔵余地逼迫による供給過剰を受け、米国産標準油種WTI先物の期近5月物清算値は史上初のマイナス圏突入を果たし、「売り手が買い手に支払う」という異様な光景となった。原油価格の暴落は需要急減と共に経済活動の停滞を示唆し、昨日は株式市場でもリスク選好度が低下。経済のファンダメンタルズとの関連性が薄い暗号資産(仮想通貨)だが、こうした未曾有のリスクシナリオでは一時的に影響される傾向があり、昨日は売り方優勢となった格好だ。