本日2月5日から中国の旧正月が始まる。中国では、この大型連休の機会に多くの人が帰省をしたり、旅行に出かける。ビジネスや市場関係者も休暇を取ることが多い。こうした長期の旧正月休暇の仮想通貨市場への影響はどのようなものなのだろうか。

旧正月

中国では旧暦に基づいているので2月5日が旧正月、春節とも呼ばれ、1月28日から旧正月のシーズンが始まり、長い休暇を取る人は2月19日まで、約3週間もの超大型連休となる。また、中国以外のアジア諸国、香港、韓国、ベトナム、マレーシア、フィリピン、シンガポールなどでも旧正月を祝う習慣だ。

休暇中には実家に帰省する人が多く、春節前後の約40日間は「春運」と呼ばれ交通機関が大混雑する。2019年は1月21日から3月1日が春運にあたり、中国政府によると同期間の旅客数は29億9000万人で、前年同期に比べ0.6%増える見通しと言われている(日経新聞)。

旧正月と仮想通貨相場

旧正月の2月5日前後は、年末年始における国際金融市場と同様に、市場参加者が半減することで全体の出来高が細って薄商いとなる傾向がある。

また、休暇中の旅行費用や家族・友人へのプレゼント、そして「赤包」と呼ばれる日本のお年玉などの風習もあり、多くの人による法定通貨への「換金売り」が増加傾向にある。新華社によると、家族へのお年玉を中国最大規模のSNSであるWechat(ウィーチャット)で送る人は昨年7億6800万人に上った。短期的には仮想通貨市場にとって売り圧力とも考えられる。

中国の仮想通貨取引所Gate.ioは、2011年から2018年の期間における旧正月期間の前後30日間の値動きなどのデータをまとめたによる調査レポートを1月21日にリリース。2011年の0.6ドルから2018年の約1万ドルまでは年率300%近い上昇を示している一方、旧正月期間中の値動きに関しては「そこまで明確なものではない」と結論付けた。

(引用元:Gate.io「旧正月前後30日のBTC値動き」)

昨年7月の報道では人民元によるビットコイン取引シェアは1%に下落、と伝えられている。一方でVPNなどの手段を通じて仮想通貨市場に参加している人は依然多いと見る人も多い。昨年末の調査では中国人の4割が今後仮想通貨への投資を考えているという。今年の旧正月は2月19日、元宵節を迎え、灯籠やちょうちんを飾って祝うことで終了するが、その後の仮想通貨市場の動向に注目が必要だ。