テキサス州の住民の間では、氷の入ったコップを落としたら、学校を休む理由になるという冗談が通じるほど、寒波が襲うことは珍しいとされる。

そうしたローン・スター・ステイト(テキサス州の意味)で2月、記録的な寒波とアイスストームにみまわれた。何百万人もの人々が1週間に渡る嵐の中で、氷点下の気温や通行不可能となった道路、水道管の破裂、数日間に渡る停電を経験した。2月中旬にはテキサス州の90%の電力を運用するERCOT(テキサス州電気信頼性評議会)は、電力網の多くを停止せざるを得なくなった。人々は家具を燃やしたり、服を着込んだりして寒さをしのいだ。

最も心配されたのは水だ。気温が一晩で氷点下になり、これが数日続いたためにマンションでは水道管が破裂し、水害が広がった。物流網も切り離された。

こうした災害によって、被災者は経済的な困難に陥っている。しかし仮想通貨を使えば、こうした経済面に少しでも貢献できるかもしれない。

テキサス州の州都であるオースティンでは、「オースティン・災害支援ネットワーク(ADRN)」が仮想通貨による寄付を開始した。ADRNでは保険に加入していない家庭や経済的苦しむ人々を支援するためにビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ジーキャッシュ(ZEC)、ジェミナイドル(GUSD)、ベーシック・アテンション・トークン(BAT)、チェインリンク(LINK)、0x(ZRX)、Storj(STORJ)、ダイ(DAI)、Amp(AMP)を受け付けている。

先週3日に寄付が開始されて以来、ADRNはイーサによる寄付が1件あり、寄付額は700ドルだったという。ADRNはこの寄付で1000世帯以上の支援につながったとしている。

ADRNのCFOであるマイケル・ギッシュ氏は「基本的に永久に仮想通貨による寄付を受け入れる」と述べた。同氏によると、寄付金はADRNはガソリンなどを購入するための資金として、プリペイドカードの形で各過程に配布した。

ADRNでエグゼクティブ・ディレクターを務めるダニエル・ゲラチ氏は災害時に安全に移動して資金を得られない場合に、仮想通貨を送るという選択肢が増えることは重要だと話している。

また、仮想通貨寄付プラットフォームのThe Giving Block(ザ・ギビング・ブロック)は「Bitcoin for Texas」という寄付ページを立ち上げた。ADRNはThe Giving Blockを通じて、法定通貨に変換して被災者に届けたという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン