「仮想通貨が私を金持ちにする」 トランプ大統領の元側近がステーブルコイン・プロジェクトに参加

トランプ大統領の経済アドバイザーを務めた経済学者スティーブン・ムーア氏が、新たなタイプの中央銀行を目指す仮想通貨プロジェクト「デセントラル(Decentral)」のチーフ・エコノミック・オフィサー(最高経済責任者)と呼ばれる役職に7月1日に就任予定という。フォックス・ビジネスが6月24日に報じた

ムーア氏は、保守系の経済学者、政策研究者、またトランプ陣営の元経済関連顧問。2019年3月トランプ氏がFRB理事に指名する意向を表明していた。しかし、連邦税未納などを巡る約7万5000ドル以上の資産差し押さえ、離婚に伴う30万ドルの和解金・慰謝料未払いに関するスキャンダルが発覚し、この5月にムーア氏は理事指名を辞退した

デセントラルは、プログラマー兼起業家サム・カゼミアン氏がCEOを務めるほか、ムーア氏によると、仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルのマイク・ノボグラッツCEOがデセントラルの親会社に投資している。

フォックス・ビジネスによると、デセントラルは、中央銀行およびその制度の役割を果たす連邦準備制度(FED)と同様の方法で仮想通貨供給を調整・統制するプラットフォームを目指すほか、他仮想通貨と独自トークンの交換などを行うという。米ドルなどで裏付けられたステーブルコインの発行も計画しているようで、アルゴリズムによって厳密に制御するという。

フォックス・ビジネスのインタビューでは、ムーア氏はデセントラルの仮想通貨について、フェイスブックの仮想通貨リブラとよく似たステーブルコインであり、仮想通貨の世界に統一性と信頼性を提供できると説明し、次のように付け加えたという。

本当に興奮している。デセントラルが私を金持ちにすることを願っている」

ただしフォックス・ビジネスは、デセントラルが反体制的な仮想通貨支持者を説得できるのか、ビットコイン(BTC)はじめ仮想通貨を疑問視する金融関係者を仮想通貨市場に巻き込めるのか、不明確と指摘している。

デセントラルは、仮想通貨を消費者向け決済手段として機能させるには、中央銀行的な伝統的な仕組みが必要だと主張している。

フォックス・ビジネスに対してムーア氏は、これまでの研究と仮想通貨に対する見解には矛盾はないと語ったという。独立系アナリストのクリス・ウォーレン氏は、その理由として次のように指摘している。

「ムーア氏は、中央銀行を好まなかった。(中略)彼は伝統的な理事とはならなかっただろう。仮想通貨業界は、FRB理事就任よりも、ムーア氏自身の考え方に近い」

実際、ムーア氏はほかのメディアとのインタビューの中で、フェイスブックのリブラについて支持する姿勢を見せている。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版

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