香港政府は8月28日、移民手続きを単純化して分散型台帳技術(DLT)の専門家を呼び込むための新たなイニシアチブを発表した。

 香港政府は、フィンテック、DLTやサイバーセキュリティーを含む11分野の「高度なスキルを持つ」専門家を世界から呼び込むため、最初のタレント・リストを発表した。この動きは、政府の「香港の高付加価値、多角的経済発展を支援する」計画の一環だ。

 リリースによると、香港は移民申請クオリティー計画(QMAS)に基づいてタレント・リストに適合する申請者を優先していく。QMASでは、年間受け入れ人数を1000人と定めている。香港特別行政区政務司長で人材計画委員会委員長のマシュー・チャン氏は次のように述べている。

「タレント・リストの普及は、国際的な才能ある人々を呼び込んで我が国の競争上の優位性を拡張し、クラスター効果を生んで、地元の優秀な人材の成長を促進し香港を前進させるためのイニシアチブのひとつだ」

 香港はデジタル通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に対して、これらの新技術は「リスクを伴う」として規制を課している。しかし同時に、国際的なブロックチェーンの中心地になることを目指しているようだ。

 先月、香港金融管理局はブロックチェーン融資ソリューションを発表した。8月に21の銀行で行われ、書類、コスト、セキュリティー上のリスクを大幅に削減することを目指している。

 6月には、香港金融管理局はアブダビ・グローバルマーケット金融サービス規制庁と「DLTを使って国境を超えた融資ネットワークを構築する機会について対話を始めるための」フィンテック協力合意に署名した。同6月、アリババの子会社アント・フィナンシャルが最初のブロックチェーン送金を行い、香港のAliPayHKのアプリとフィリピンの支払いアプリGCashとの間の取り引きを3秒で完了させた。

 香港科技大学と商学院は最近、電子支払いシステムのセキュリティー向上のため2000万ドルの研究資金を受け取っている。

 さらに、商学院は香港大学と協力して、ブロックチェーンテクノロジーのアプリについて研究を進め、香港がグローバルなフィンテックの中心地に変貌する可能性を話し合っていく予定だ。