米国の仮想通貨(暗号資産)投資ファンド、グレイスケールのイーサリアム信託が公開取引に近づいているようだ。
グレイスケールの6日の発表によると、同社のイーサリアム信託が米証券取引委員会(SEC)の報告会社となることを決めたという。現在申請審査中であり、もし承認されれば、同社のビットコイン投信に続いて、SEC報告会社として2例目となる。
「申請はSECの審査を受けている最中で、登録書が有効になれば、グレイスケール・イーサリアム信託は、グレイスケール・ビットコイン信託に次いで2番目のデジタル通貨投資手段として、SECからの報告企業としての地位を獲得することになる」
SECへの報告企業となることで、今後グレイスケールは多くの情報を投資家に公開することになる。市場への安心感が高まることなどから、機関投資家の呼び水となるかもしれない。
市場では現在、イーサリアムは好調を維持している。そうした中でグレイスケールのイーサリアム信託は190万ETH、額にして7億4600万ドルを保有している。カストディアンはコインベースだ。
リターンを得ている機関投資家の81%はビットコイン以外にも投資
グレイスケールは6日のミディアムの投稿で、2020年第2四半期のイーサリアム投信への需要が、流入額全体の15%近くを占めていることを指摘している。
「この四半期(2020年第2四半期)だけでも、グレイスケール・イーサリアム信託への週平均投資額は1040万ドルに達し、四半期で1億3520万ドルの資金流入があった」
グレイスケールはコインテレグラフに対し、機関投資家は、ビットコイン以外にも分散投資を希望する声が高まっていることを強調。前四半期にはリターンを得ている投資家の81%がビットコイン以外に保有資産を分散させていた。これは過去12ヶ月でみた71%から増加している。
ビットコインキャッシュやライトコインも
7月20日の発表で、グレイスケールは米国の自主規制機関である金融取引業規制機構(FINRA)が、同社のビットコインキャッシュ投資信託とライトコイン投資信託の株式公開を承認したと述べている。2つの株式はBCHGとLTCNというティッカーシンボルであり、店頭取引(OTC)市場で取引可能となる。
グレイスケールの投資信託は、実際にトークンを保有する必要なし、仮想通貨に投資する手段を提供する。グレイスケールによると、この戦略は「ビットコインキャッシュやライトコインを直接購入、保存、保管するという課題」を回避することができる。
グレイスケールは6月30日時点で、ビットコインキャッシュ投信に2,725,300株を保有し、580万ドルの資産を運用している。またライトコイン投信については、509,400株を保有し、計200万ドルの資産を運用している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン