テキサス州ダラス南西に位置する町グランベリーの住民の多くが、仮想通貨マイニング施設による騒音と健康被害に苦しんでいる。

非営利団体モア・パーフェクト・ユニオンは24日に公開した動画で、MARAホールディングスが運営する300メガワット規模のビットコイン(BTC)マイニング施設から1マイル(1.6㎞)以内に住む住民たちに話を聞いた。多くの高齢者や退職者は、四六時中続く騒音により「地獄のような暮らしだ」と訴えた。

「この騒音は決して止まらない。頭痛も全然治らない」と、ある高齢の住民は施設の音が響く中で語った。

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テキサス州のマイニング施設 Source: More Perfect Union

問題のマイニング施設は2022年、コンピュート・ノース社の下で建設が始まったが、同社はその年のうちに破産申請を行った。MARAは2024年1月に施設を買収した。

環境保護を専門とする非営利団体アースジャスティスのマンディ・デローチ弁護士は、「この騒音はトラックの走行音などとは違う特殊な低周波ノイズで、ひっきりなしに続く」と指摘した。

こうした騒音に長期的にさらされた住民らは、2024年10月にMARA(当時の名称はマラソン・デジタル)を相手取り訴訟を起こした。訴状では、騒音が「感覚面・精神面・心理面・健康面に悪影響を及ぼし、既往症の悪化につながった」と主張している。

インタビューに応じた住民の中には、病院への搬送や「絶え間ない頭痛」、さらには馬の死までもがこの施設に起因している可能性があると訴える者もいた。

コインテレグラフはMARAおよびアースジャスティスにコメントを求めたが、記事執筆時点では回答は得られていない。

MARAは23日、最大10億ドルの転換社債を発行する計画を発表しており、その一部はBTCの購入に充てるとしている。同社は記事執筆時点で約5万BTC(約60億ドル相当)を保有している。

仮想通貨マイニングと米国政治

テキサス州住民がMARAに対して訴訟を起こす数か月前、多くの仮想通貨マイニング企業の幹部が当時の大統領候補ドナルド・トランプ氏と面会していた。この面会が、トランプ氏によるBTCマイニング支持表明や、ビットコイン2024ナッシュビル大会での選挙公約へとつながったと見られている。

「ビットコインに関しては、確かに後悔している」と、あるグランベリー住民は2024年にトランプ氏に投票したことについて語った。「業界そのものには反対していないが、地元の人々に与えている影響が無視されているのが問題だと思う」。

トランプ政権下の共和党主導の議会は、ビットコインマイニングに特化した法案をまだ可決していないが、先週にはステーブルコイン、中央銀行デジタル通貨、デジタル資産市場構造に関する3つの法案が前進した

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