JPモルガン・チェースは10日、同社のブロックチェーンを活用し、レポ取引に成功したと発表した。ブルームバーグによると、JPモルガンのブロックチェーンには来年にもゴールドマン・サックスが正式に参入し、デジタル化された米国債がJPモルガンの独自トークンであるJPMコインに交換されるようになる。

レポ取引は債券などを一定価格で売り戻したり、買い戻したりする条件を付与した売買取引で、短期取引の一つだ。

JPモルガンのブロックチェーン市場責任者を務めるスコット・ルーカス氏は、同行はすでに数十億ドル相当のレポ取引を行うためにJPモルガンのブロックチェーンを利用していると述べた。デジタル化された米国債のスワップ取引を効率的に行うために、ドル建てのステーブルコインであるJPMコインを利用したテストを実行した。

ブルームバーグが報じているように、JPモルガンは同社のOnyxブロックチェーンを利用して、すでに社内で取引を実行した。Onyxを運営するクリスティン・モイ氏は、ブロックチェーンによってレポ市場は「一晩や数日以内」ではなく「数分から数時間」で測定できるようになるとより効率性が向上し、リアルタイム決済が実現すると述べている。

ルーカス氏は今回のソリューションの提供によって顧客や同社のリスクを軽減できると期待を込め、「我々はこの商品を顧客に提供できる段階に来ている」と強調した。さらに、他の銀行や証券会社も同サービスに参加する予定だと加えた。

レポ市場は銀行間の現金や証券の流れを円滑にするため、金融システムの「配管」だとされる。大きな証券ポジションを持つ金融機関は現金を潤沢に持つ相手から、リターンと引き換えに安く借りることができるようになる。主に米国債などを担保にするため、リスクが低いとされている。