米金融大手で世界最強の投資銀行として知られるゴールドマン・サックス会長兼CEO(最高経営責任者)のロイド・ブランクファイン氏が30日、ブルームバーグとの取材の中で再びビットコインについて語った。ビットコインに肯定的なコメントをした前回のインタビューからややトーンダウンした内容になっている。 

 同氏は前回お金の歴史に言及し、紙幣が黄金や銀に担保されるようになった時も人々は懐疑的だったと指摘。ビットコインにも同様にこれから受け入れられていく可能性があることを示唆した。

 今回の取材の中で同氏は次のようにのべている。

(ビットコインは)は私のためのものではない。だが私のためではない多くのものがうまくいった例が過去に多々ある。もし20年後にうまくいっていたら、その理由をうまく説明する自信がある。しかし現時点で私の知っていることを総括して、(ビットコインが)うまくいくと予想しているわけではない。

詐欺を蔓延させる手段?

今回ブランクファイン氏は、ビットコイン自体が詐欺であるとはコメントしなかったものの、詐欺の手段になりえるとコメントした。

ビットコインの主な使用目的の一つが詐欺をまん延させるためだ。おそらく(使用記録などを)追跡できないからだ。現金も追跡できないが、時に大量の現金を蓄積しておくことは難しい。

犯罪に使用されやすいという意味では、米ドルも同様だ。最近になってJPモルガンチェースはスイスにおけるマネーロンダリングの疑いで有罪となっている。

ゴールドマンのビットコイン戦略は今後の状況次第

また、同氏はゴールドマンサックスがビットコイン戦略を策定するかという問いに答えて次のようにのべている。

今後の状況をみる。もしビットコインがうまくいって普及し、価値の貯蔵商品として安定してトレードでき、いきなり20%上がったり下がったりすることなく、流動性を有したら、考える。

いうまでもなく、ゴールドマンサックスがビットコインのトレーディングデスクを設立したら、そのインパクトは大きいだろう。