世界のブロックチェーン技術関連の収益は、2023年までに100億ドル(約1兆600億円)に達する見込みだ。米テック市場コンサル企業のABIリサーチが8月28日に予測を発表した。
ICO(イニシャル・コイン・オファリング)は減少傾向にあるものの、ベンチャーキャピタル(VC)のブロックチェーンインフラ開発への投資などから今後も成長を見せるとしている。
ABIによると、ベンチャーキャピタルによる投資額はICOに追いつきつつあり、昨年は620件の31億ドル(約3280億円)と、前年の153件、8億5000万ドル(約900億円)を上回った。同社のブロックチェーンおよびデジタルセキュリティ調査ディレクターのマイケラ・メンティング氏は、以下のように述べている。
「多くの国々における仮想通貨に対するより厳しい規制(証券を含む)や税制度(外国為替、収入、金融資産など)により、投資家は、ICOを超えて、より安定的なVCベースのブロックチェーン関連のインフラや小売り、サプライチェーン、企業向けアプリケーションをサポートするスタートアップへの投資に目を向けている」
しかし一方で、金融や保険以外のブロックチェーンアプリケーションは、スタートアップのアプリケーションを利用したミドルウェアのプロダクトが乏しいことから、業界の発展にとって障壁になっているとも指摘する。
それでも、メンティング氏は、そういったプロダクトも2021年以降に登場し、プラットフォームおよびソフトウェアレベルでの開発と相互運用性を実現すると予測している。仮想通貨価格が低迷した「仮想通貨の冬」による開発への熱意の低下は一時的であり、ネガティブな影響は続かないと述べている。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版