ジェネシス・マイニングのオペレーション責任者を務めるフィリップ・ソルター氏は、経済危機の中で、銀行に対するヘッジ手段として仮想通貨ビットコイン(BTC)が価値を高める可能性があると考えている。

過去数週間、ビットコインには多くの危機に直面した。ハッシュレートが急激に低下し、BTC価格は暴落した。

コインテレグラフは、このトピックについて、ビットコインマイニングの分野に通じているソルター氏から話を聞いた。

価格急落とビットコインマイナー

最近のビットコイン暴落において、マイナーがどのような役割を果たしたのか。ソルター氏は次のように述べている。

「従来の市場と違いはない。事業を継続し、借金を返済するためにすべてを売らなければならない。マイナーもそうだ。電気代や運営コストを払わなければならない。そしてそのコストはドル支払いなため、ビットコインの価格が下がるにつれ、自身が持っている在庫を売らざるを得なくなる」

それは雪だるま効果のように連鎖していくという。価格が下げれば、マイナーは手持ちのビットコインを売ることを余儀なくされ、売りが多くなれば、価格をさらに引き下げることになる。ただし、それもある時点までだ。一部のマイナーにとっては、市場価格が回復し始めるまで、電気を止めて生産を止める方が理にかなっているようになる。

「新しいゴールド」としてのビットコイン

ビットコインの最もポピュラーなストーリーの1つは、それが新しいゴールドであるというものだ。ただし、ビットコインは伝統的な市場と同じような軌跡をたどっていることで、そのストーリーに当てはまらなくなっている。

このストーリーが今後どうなるか。ソルター氏は、危機の深刻さに大きく依存していると語る。

「この経済危機が封じ込められれば、ビットコインに大きな影響はない。しかし、本当の崩壊があった場合、ビットコインへの関心が爆発するだろう。銀行システムに対するヘッジ手段とみなされるようになる。人々が古い経済に懐疑的になればなるほど、ビットコインに殺到するようになる」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン